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番外編2:町田くんとトーニャ2
VIPルームは赤い革張りのソファにガラスの机、ドンと置かれたお酒のボトルが俺たち二人を睨んでいるようだった。
さっきカウンターで飲んだ酒が結構きつくて、体が熱い。
ドスンとソファに座ると、その衝撃で少しだけで世界が回った。
『ヨーヘイ、大丈夫?酔った?』
トーニャもほんのり頬がピンク色に染まっているけど、まだまだ平気そう。
『ん?あぁ……うん、ちょっと酔ったかも……でも、まだいける!』
俺がやや回らなくなっている呂律を必死に回しながら、強気に近くにあった茶色いボトルを開けた。
『それ、結構強いよ?いけんの?』
『平気平気!……これ、うまい!!トーニャも飲めよ』
悪酔いする上司が部下に絡むように、トーニャのグラスにも酒を注いだ。
トーニャは酒がわりと強いらしく、グイグイ飲み干した。
『……それで、ヨーヘイは何でまだ童貞なの?ヨーヘイならたくさん彼女いたでしょ?』
霞む意識の中で、トーニャは俺の体にのしかかるように擦り寄ってきた。
「何でって……洋平のは怖いって言われるから……」
『ちょっと……日本語分かんないんだけど』
あれ?脳内の日本語をそのまま言葉にしてしまったらしく、トーニャに全く通じていない。
英語に変換しなくては。
というより、どうしてトーニャは俺が童貞だと知っているのだろうか。
『トーニャは何で俺が童貞って知ってるんだ?』
『さっき自分で話したじゃん!もしかして、記憶飛んだ?』
『……飛んだかも』
『もう……さっきから酔いすぎ。……酔ってるからかなぁ?さっきからココ、めっちゃ勃ってるよ……?』
トーニャの細い指がジーンズ越しの俺の息子に触れた。
熱くなった息子に触れる指の感覚がむず痒くて、余計に熱くなる。
『あ、あんまり触んな』
『もしかして、イきそう?俺のと触りっこしようよ』
トーニャはタイトなジーンズを脱ぎ、黒いビキニのような下着姿になった。
男と思えない白い綺麗な太ももがエロい。
なんなんだよ、その下着……エロすぎだろ……女物履いてるんじゃないだろうな。
Tバックみたいな下着でケツ丸出しだし……本当に男なのか?
俺がトーニャの顔を見ると、トーニャはニコリと笑う。
うう……やっぱり可愛い。
猫目で色白で、黒髪のショートカットとか……マジで俺のタイプ。
初めはてっきり女の子だと勘違いして、お店に通ってたんだけど、実は男だったことに気づいた時の驚きと落胆。
最初はがっかりしたけど、結構美味しい店だったから通って、トーニャとも仲良くなって、そうこうしてる内にトーニャから目が離せなくなって……。
『あっ!こら!ズボンを勝手に……』
手馴れた様子でするりとズボンと下着を一気に下ろされた。
『ワォ……すっごく大きい。日本人でもこんなサイズの人いるんだ』
さりげなく日本人をディスったトーニャだけど、俺はそんなことを気にする余裕もなく、バクバクと心臓が皮膚を飛び抜けそうなほど緊張している。
あれ……も、もしかして……俺、掘られんの??
トーニャはどっちのつもりなのだろうか。
『トーニャ……あの、俺……』
『あれ?その気があるから誘ってきたのかなって思ってたんだけど……。あ、ちなみに俺バリネコだから、好きなだけ童貞捨てていいよ?』
小首をかしげながら俺を見る顔……悔しいけど、可愛い……。
『その前にほぐさないとね。ちょっと待ってね』
部屋の中にあったジェルをたっぷり指につけて、自分の尻を弄り始めた。
『……んっ、あぁ……!』
白い尻を突き出し、音を立てながら弄る姿は、健全な男子なら一度は見る女の子のオナニー動画さながらで、俺の息子はさらに元気になってしまった。
『もっとおっきくなったね。俺のも……ほら』
Tバックを下ろすと、トーニャの息子もしっかり勃ち上がっている。
やや小ぶりな息子はトーニャのしなやかな体に合っていて、俺のはやっぱり人よりも大きい……いや、大きすぎる。
それが、俺の悩みだった。
歴代の彼女とはそういう雰囲気になっても、俺の息子を見た途端、怖がり、断られ、そして破局する。
俺も健全な男子なので、プラトニックな関係はちょっときつい。
この年になっても童貞を捨てられなかったのは、これが理由だ。
ほとんど全裸になったトーニャは俺の体にもたれ掛かる。
少しひんやりとした体が、酒で火照った体にちょうどいい。
『ねぇ、触ってもいいよね?』
『触ってもって……うあ!?』
トーニャの息子と俺の息子が触れ合ってトーニャの細い指で擦り合わされる。
「ちょ……っ、トーニャ!まじでそれ、ダメだって……!」
思わず日本語で止めてしまう。
それくらい余裕が無い。
『日本語分かんないってば。二人で気持ちよくなろうね』
上目遣いも可愛い……って違う!
ヌメヌメとした俺たちの先走りがさらにトーニャの指の動きを加速させる。
『あ……っ、ヤバ……キタかも……っ』
背中を仰け反りながら、トーニャのピンク色の唇からこぼれ落ちる喘ぎ声が俺の官能を刺激する。
『トーニャ……俺もイきそう……っ!』
『ホントだねっ、ドクドクして……今にも出しそう……』
トーニャが急に指の動きを止めて、俺の体の上に乗りだした。
な、なんだ……?もう少しでいけそうだったのに……。
そう思っていると、トーニャは自分の右のお尻の肉をぐっと広げ、蕾に俺の息子をあてがう。
『トーニャ……?お前、まさか……』
『安心して。ヨーヘイを必ず気持ちよくしてあげるから』
少女のようなあどけない笑顔が俺の心を暖かくさせるのと同時に、今から何をするのか察してしまった自分は興奮して仕方がなかった。
さっき自分で柔らかくほぐした蕾を開きながら、ぐっと俺の息子を迎え入れる。
『ん……っうぅ……おっきい……』
『トーニャ!……無理しなくて、いいから』
『無理なんてしてない……っ!こんなおっきいペニス入れられるなんて、俺、めっちゃ楽しみなんだ』
中ほどまでトーニャの蕾に収まる。
きゅっと締まるのが気持ちよくて堪らない。
『ヨーヘイ……!中、擦られて……んっ、俺の中、広がってくよぉ……』
『トーニャ……俺、やばい……まだ全部入ってないのに……イきそう……っ』
トーニャの細い腰を引き寄せ、ぺったんこな胸に顔を埋める。
トーニャの香水だろうか、グレープフルーツのような爽やかな果実の香りが汗に混じって、俺の鼻を通っていく。
『いいよ……!いっぱい、俺でイッて……オナホみたいに扱ってもいいから。いっぱい……俺の中、突いて……っ』
『オナホとか言うなよ……。トーニャは俺の大事な……』
大事な……何だ?
大事な友達?
違う。
大事な恋人?
違う。
トーニャは、俺にとって……何だ?
俺の戸惑いに気づいたのか、トーニャは眉根を寄せ、悲しげな微笑みを湛える。
『何も言わないで……。ヨーヘイにとって、俺は一夜限りの男だから。それ以上でもそれ以下でもない。お互いが気持ちよくなれば、それでいい』
笑っているのに、泣いてるみたいな、そんな変な顔をするトーニャを見て、俺は優しくて抱いてやりたい気持ちと勢いよく押し倒し、無茶苦茶にしてやりたい気持ちが生まれた。
『んぁ……っ、あとちょっと……!全部入るからぁ……っ、あぁあっっ!!』
八割ほど俺を咥え込み、ぶるりと震える体を引き寄せた。
一夜限りの俺の男。
妙にしっくりくるその言葉に納得しながら、どこか少し寂しい。
そうだ。お互い気持ちよくなればそれでいい。
だったら……トーニャにはたくさん気持ちよくなって貰おう。
歴代の彼女たちに怖がられ、童貞を捨てることが出来なかった俺を、トーニャは捨てさせてくれた。
恐れずに、セックスを共に楽しもうとしてくれている。
俺ができるのただ一つ。
『トーニャ……愛してる』
トーニャの唇を啄むようにキスをした。
舌も入れない子ども同士でするようなキス。
『ヨーヘイ……』
俺はトーニャの細い腰を掴み、一気に息子を突き刺した。
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