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第十二話
斑目の目の前。
神足が何故か、着ているものを脱ぎ、どこかのベッドに横たわっていた。その身体にはかつての恋人につけられたのか、傷の数々が広がっていて、見ている者の加虐心を煽る。
美しい、以外の言葉が出てこないで、斑目は1つ1つを確認するように触れていく。
「あっ、アっ、ンっ……!」
これが、神足の受けた傷の全てて、神足は身体のどの部分に触れても、嬌声を上げる。やがて、触れるだけでは飽き足らず、斑目は今では薄くなり始めたその傷の1つに唇をつける。指や舌先でも別の傷を愛撫していく。
「あぁ、ダメ! ダメですっ! せんせっ」
傷だけに留まらず、初めてとは思えない程、いやらしく変えられてしまった乳輪や臍。さらには、既に男を知っている神足のアナルまで左右に開いて、躊躇することなくキスを落とす。
それから、作家の道具でもある指を入れ、優しく快楽へ誘っていく。そのことに神足はダメだ、お願い、やめてくださいと拒んだ。だが、そんな制止には反して、神足の身体は何度も何度も震えて、先走りが滲む間もなく飛び出るように出てくる。
「まだ、らめせんせっ。やめ、て……」
なんて美しく淫靡な夢なのだろうか。
斑目はそう思うと、夢の中で神足を抱き潰していた。
「(やめて、なんて言葉じゃあ、やめることはできない。そんなに嫌なら君の滑らかに動くペンで俺の手を突き刺せば良い)」
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