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第4話
入学式も順調に進み在校生挨拶。
一つ息を吐き壇上へ上がる。
我ながらうまいこといった気がする
少しだけ機嫌良く席に戻ると美空が耳打ちする
「睦月…カッコよかった」
美空から言われ悪い気はしない
入学式も終わり今日は帰宅なのだが生徒会長である俺は残ってやる仕事が大量にある。
みんなに手を振り生徒会室に向かう
「あの!!雪割先輩!!」
呼ばれて振り返ると俺より背の高い男がいた。
新入生なのはタイの色でわかったのだが身長のせいなのか年上に見える…ていうか…こいつ…
「誰?」
無意識に発してた。それを聞きパァーッと笑顔になりニコニコしながら彼は答えた
「はい!霜月中(しもつき あたる)です」
犬?一瞬彼に大型犬の尻尾と耳が見えた気がした…
でも…
「霜月くん。俺に何のよう?」
本当に…何の用だよ…
「一目惚れしました!!」
「は?」
言われた言葉が一瞬理解できず固まる…今こいつ…何て言った?へ?
「付き合ってください!!」
そして続け様そんな言葉をはく。いやいやいや…ねぇだろ…俺の好みは今朝の子みたいに小柄で可愛らしい子…そう…美空みたいな…
全然真逆だし…
デカイし…あ…でも顔は可愛いかも?って…んな場合じゃねぇだろ
「いやいや…待て待て…無理…お前の事知らねぇし…」
「じゃあ…じゃあ…お友だちになってください」
大きな体を小さくして俺に頭を下げる姿に断るのも可哀想になる
「わかった。付き合うとかは無いかもしれないけどいい?」
結局悲しそうな彼の姿に断れずそんなことをいってしまった。
「はい!!はい!!」
本当に嬉しそうに笑ってる。…ってかやはり犬か?
ブンブンと尻尾が振られてる気がする
「えと…霜月くん?」
「中です!中って呼んでいただけませんか?」
「あ…と…中。」
「きゃー…!どうしよぉ…あぁ…あぁ…先輩に…先輩に…」
プルプルしながらにやにやしてる…てかきゃーって…見た目とのギャップ…お前は女か…
ちょっと気持ち悪い…けど…まぁ嫌ではない…
あれ?俺ってこんなだった?
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