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第24話
中side
タイの色は紺。だから先輩は3年…その時わかったけれど結局何の進展もなく…
入学式を迎える。
「在校生代表 生徒会長 雪割 睦月」
綺麗な名前だな…どんな人なんだろう?
舞台に立ったのは…あの人だった
「生徒会長カッコ良かったぁ」
入学式後そんな言葉が飛び交っていた
やっぱり…あの人はモテるんだ…
高嶺の花…正にその通りの人…でも…やる前から諦めたくない…
でも彼がどこのクラスなのかわからない…
もう下校時間になってしまった。
仕方ない…あの人は見つからなかった…諦めて帰ろうとしたとき見間違うはずもない後姿…あの人だ…どうしよ…最後のチャンスかもしれない…どうすればいい?
もう何も考えられなくて…
「あの!!雪割先輩!!」
大声をあげていた
すると彼が振り返る。俺のこと覚えていますか?あのときはありがとうございました。命を助けていただいて…言いたいことはたくさんあったけど彼の一言に何も言えなかった…
「誰?」
覚えてない…でも…よかった…返事してくれた。ただそれだけなのにとても嬉しくて…笑みが溢れてた…
振り返って俺のことちゃんと見てくれた…嬉しい…
「はい!霜月中です」
「霜月くん。俺に何の用?」
先輩が訝しげにこちらを伺う。それはそうだろう。彼にとっては初めて会う奴なんだから。何て言えばいい?
「一目惚れしました!!」
あ…俺…何いってんだろう…流石にこれはダメだな…
「は?」
でも言葉は止められなくて…
「付き合ってください!!」
断られるのはわかってる。でもきっと印象には残るよね?
「いやいや…待て待て…無理…お前の事知らねぇし…」
知ったら考えてくれるの?
「じゃあ…じゃあ…お友だちになってください」
とにかくここで終わりたくない…受け入れてくれませんか?
必死で頭を下げた。お願い…俺にチャンスを下さい…祈るように彼を見る
「わかった。付き合うとかは無いかもしれないけどいい?」
「はい!!はい!!」
付き合うとかは無い…フラれた…でも…どんな形でもいい…側にいさせてもらえる…
「えと…霜月くん?」
「中です!中って呼んでいただけませんか?」
「あ…と…中。」
「きゃー…!どうしよぉ…あぁ…あぁ…先輩に…先輩に…」
あー…嬉しい…俺…ただの変態?名前呼ばれただけでこんなに胸が熱い…
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