33 / 80
第33話
中がどこにいるのかわからない…途方に暮れて…でも連絡しようにも今日は忘れてきてしまったんだ…
「くそっ…何で…」
何でもっと早くに中の変化に気付かなかったんだ…連絡来なくなって何で見付けようとしなかった?何で逃げた?あんな目に合ってるのに…何で俺に助けを求めなかった?
中…何でだよ…俺のことを好きだって言うならもっと頼ってくれれば…もっと縋ってくれれば…
「雪割先輩…」
「…幸三郎…」
「先輩…中の事…」
「中は…俺の中で後輩の一人でしかない…でもな、一度知り合いになれたんだ…俺はこれでも生徒会長。言ってくれれば助けてやれたのに…何で…お前ら…」
「一番は…やっぱり貴方にあの姿を見せたくなかったから…でも…それだけじゃないと思います…僕を…守るためだと…思います…
多分…中が貴方を頼れば…助けを求めてしまえば僕がもっとひどい目にあってたから…だから…先輩…お願いします…中を助けて…中を抱き締めてあげて…中は汚くないって伝えてあげて…お願いします…全て僕のせいなのに…ごめんなさい…ごめ…な…さいっ…」
「中の家に連れていってくれるか?」
「はいっ…」
涙目になりながら何度も首肯く幸三郎。美空みたい…
人のために泣けるんだから…でも…違う…俺が今会いたいのは…
ともだちにシェアしよう!