36 / 80

第36話

「先輩…先輩」 静かに涙を流す俺より大きな体…抱き締めながらそっと髪をすく 「中…大丈夫だから…」 思ったより柔らかい髪…小さく啜り泣く… 笑顔を…取り戻したい…俺に向けてくれていたあの純な笑顔… 中が落ち着くまでずっと抱き締めていた。 「先輩…大丈夫です…すいません。ありがとうございます」 「飯は?食えそう?」 「あまり…食欲なくて…」 「なんか食え…俺は美空ほど料理できないし…どうするか…」 「本当に。大丈夫です」 「だめ。」 「いや…ほんとに…」

ともだちにシェアしよう!