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第44話
3年も思い続けてくれていた…名前さえも知らない俺を…
そして入学したところでもう学校にはいないかもしれないのに必死で追いかけてきてくれた…
こんなにも誰かに思われたことあった?
いや。ない。気持ち悪い?いや。そうは思わない。
「すごいな。中。名前も知らないどこの馬の骨かもわからない俺を」
「はい。すいません」
「いや。ありがとう。そんなに思ってくれて…気が付かなくてごめん。俺はあの頃荒れてて…その頃の記憶って…実は曖昧…毎日適当に過ごしていたから…そうか…俺の記憶をお前が代わりに記憶していてくれたんだね。ありがとう。頑張って追いかけてきてくれてありがとう…」
「気持ち悪くない?」
「ないよ。嬉しい」
「俺…」
「中…こんな薄情な俺のこと。好きでいてくれてありがとう…本当にやめちゃうの?好きなこと…本当にただのセフレじゃないとダメなの?」
「え?」
離したくない…側にいて欲しい…それだけじゃ引き留めるのはだめかな?
すごく、卑怯だけど…好きでいてくれないかな?
「先輩?」
「中…俺やっぱ最低だ…お前が今すごく欲しい…お前は怖いのにね…ごめんね」
もう…どんな形でもいいから…お願い…離れないで…
俺無しじゃ生きられなくなって?中…
「先輩?泣いてる…」
「え?」
中が心配そうに俺の涙を拭って瞼にキスをした
「中…中…お願い…側にいてよ…俺の側にいて…」
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