46 / 80
第46話
その日は同じベッドで眠った。
不思議と安心感があって…普段あまり深く眠れない俺が朝まで眠っていた。
起きると隣にはあどけない表情で眠る中。
目にかかった髪をあげる。
やっぱりかわいいな…そんなことを思いながらそのまま髪を撫でる
「先輩…おはよ…」
「おはよ。体平気か?学校行けそう?」
「ん…行く…幸…待ってる…敦夢…くる?」
「さぁな…あいつらの処分がどうなったのかわかんねぇからな」
「先輩…好き…」
「こら。また寝るな」
「ん…起きてる…大丈夫」
「おーい。あーたーるー!!」
「ん…起きてるって…」
意外と朝が弱い中。敬語忘れちゃってるし…クスクス笑っていたら中がゆっくり目をあける
「先輩?…あ!ごめんなさい!!俺…」
「何?何の謝罪?敬語じゃないこと?別にいいよ。寝惚けてた中可愛かった」
朝から表情をくるくる変える中に笑いが止まらない。真っ赤になりながら俺の腰に巻き付き胸に顔を埋める。それをポンポンと撫でてやるとすり寄ってくる
「先輩…いる…幸せ…」
「何それ…何で片言?」
「だって…いるの…嘘みたいで…嬉しい…」
「そう?そんなに喜んでくれたなら良かった」
中の額に口づける。
「うぅ…カッコいい…」
「ありがと。ほら起きるよ。朝御飯食べなくちゃ」
「俺朝食べない…」
「食べないと頭働かないよ。一緒に食べるからね?」
「はい」
「うん。いい子」
そのあと簡単に朝食を済ませ登校しようと家を出る。玄関の外に幸三郎がいた
「おはよ。中。先輩」
「はよ。幸三郎は体平気?」
「俺は大丈夫です。中。行ける?無理しないでもいいんだよ?」
「うん。行く。先輩いるし幸もいるから大丈夫だよ」
「どうしても無理になったら教えてね」
「ありがと」
ともだちにシェアしよう!