47 / 80

第47話

「幸。…敦夢のこと…」 「…あれだけ…酷い扱いされたのに…やっぱり…あーちゃんのこと…好きだよ…昨日ね。連絡来た。一週間停学みたい…あーちゃんは成績優秀だからそれで済んだみたい…中に悪かったって…」 「そう…」 「敦夢のこと…もう…」 「…いや…敦夢には沢山借りがあるから…だから…平気」 そう言う中は震えてて…強く拳を握っていた その手をそっと包み手を繋ぐとゆっくりと肩の力が抜けこちらを見た 「先輩。大丈夫です。ありがとう」 「中。もう少し休憩しよっか。大丈夫だよ。」 優しく語りかけるけれど中は首を横に振り俺を見つめた 「先輩…今日昼休み会いに行ってもいいですか?」 「いいよ。待ってる」 「ありがとうございます。大丈夫です。先輩がいてくれるんだから」 そのとき一台の車が俺たちの目の前で停車した 中から出てきたのは 「サン?」 「はよぉ。中くん。」 目の下のクマはとても気になるがにこにこ笑っている顔は中にそっくりだ 「はよぉ。幸くん」 「おはようございます。山茶花さん」 「君は…」 「雪輪 睦月です。初めまして。お兄さん」 「おぅっ…まぶしっ…」 「え?」 「どうしよぉ…美人さんの笑顔…朝から…半端ない…はぁはぁはぁ…」 「だ…大丈夫ですか?」 「おあー…あーあー…」 「サン…気持ち悪いから…朝から」 「いやぁ…ごめんごめん。あまりにもびっくりし過ぎちゃった。てへっ…」 「…先輩…兄の霜月 山茶花です…見ての通り変態です」 「え?あ…はぁ…どうも」 「あーもー…中くんったらぁ…辛辣…でも…好き!!」 「わかったから…離して。どうしたの?」 「んー?ん。送ってく。仕事落ち着いたから。ほら。みんな乗って乗って。乗ってくんなきゃ泣いちゃうぞ。」 「いえ…結構です」 「あたるくーん。お・ね・が・い!ねぇ?ねぇってばぁ!!」 「…わかった…わかったから…抱きつかないでよ…重い…」 「うわぁーい!やた!」 「…何か…想像と違う…」 「あ…いつもはこんなじゃないですよ?もっとしっかりしてるんですけど…仕事落ち着いたら毎度毎度2、3日はこうなります…このときだけはただの変質者です」

ともだちにシェアしよう!