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第48話

山茶花さんの運転はとても丁寧だった。 学校の裏門へ着いたとき教師が歩み寄る 「おはよ。霜月」 「おはようございます。三國先生。昨日はありがとうございました。」 「いや。俺はなにも…はよぉ。サン。お疲れ様」 「おはよ。てっちゃん」 …目の前でいちゃいちゃしだす教師と山茶花さん…何度も繰り返し啄むようなキスをして息が上がってきた山茶花さんの唇を最後は強く吸い離れていった 「…あの。生徒の目の前でそう言うのは控えた方がいいのでは?」 「ん~…だって。サン不足なの。許して?会長様」 茶目っ気たっぷりにウインクする教師… 三國 轍(みくに わだち)。校内でも人気の化学教師。生徒指導もしている。爽やかなルックスと解りやすい解説。多くの生徒に慕われている。レスリング部顧問も勤めている。 …人気のある三國がこんななんて…思いを寄せる者たちは卒倒しそうだ… 「誰に見られているかもわかりませんので今後控えて下さい」 「はいはぁい。サン。じゃあまた…仕事終わったら会いに行くね。」 もう一度キスをして名残惜しそうに山茶花さんを見送った 「先生…」 「霜月。坂本。無理はするな。何かあれば保健室。場合によっては早退していい。もう一度言う。無理はするな。わかったな」 「「はい」」 二人の頭をわしゃわしゃと撫でて去っていく背中を追いかけ教室へ向かった 「おはよ。睦月」 「おはよ。美空」 「中くんは?」 「来てるよ」 「大丈夫なの?」 「無理はしないように伝えては来たから…昼休みはここに来るみたい」 「会長」 「おはよう。三葉。昨日はありがとう」 「いえ。霜月くんたちのことは口止めしておきました。」 「ありがとう。」 「暫くは大きな仕事もないですし側にいてあげて下さい。みんな霜月くんのこと好意的ですから元気がない姿は見たくないはずだし。彼にとって一番いいのは貴方が側にいることだと思うから」 「何かあったらすぐ報告してくれ。悪いけど今は甘えさせてもらう」 「はい」 「睦月」 「あたるん大丈夫?」 「今日は学校に来てる。昨日は見つけてくれてありがとう。お前たちが見つけてくれて良かった…本当に…ありがとう」 「あたるんは俺たちの可愛い後輩だしね。見付けられて良かった…昨日のこと他には言ってないから」 「助かる…出来る限り…知られたくないから」 「わかってる」

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