中side 「おはよー霜月」 「はよ」 「霜月くん。ちょっといい？」 クラスでもあまり話したことのない大人しい子が声をかけてきた 「どうしたの？」 廊下に出た彼についていくと思い詰めたように彼が言葉を発する。 「あのね…僕見ちゃった」 「…？何を？」 すると無言で自分のスマホの画面を見せてきた 「っ…」 あのときの男達に啼かされ腰を振る自分の動画が写っていた 「…すごぉーく可愛かったよ…」 どうして…あいつらのは無くなって解放されたと…そう思っていたのに…まさか …彼が何をしたいのかわからなくて呆然としていると… 「で？…どうするの？そればら撒くつもり？」 「…坂本くん…」 幸が殺気を放ちながなら彼に詰め寄った 「どうするつもりかって聞いてるの。お口ついてるでしょ？早く教えてよ」 「僕は…霜月くんと恋人になりたい。僕を見て欲しい。僕の恋人になってくれるならこれは消してあげる…」 「だっさ…そんなことしないと中を振り向かせることできないわけ？」 「…っ…でも…困るでしょ？これが世に出たら」 「よいしょっと。」 彼の背後から手が伸びてきてそれを奪った 「な…なに…誰？」 「おはよぉ。石崎くん」 「水無月先輩…」 「これ…他にデータは取ってある？正直に話してくれない？」 言葉は柔らかいが明らかに怒気を含んでいる。 「…」 「石崎くん…教えて？ね？」 水無月先輩の真っ直ぐ射ぬくような視線に誘導され 「…これしか…ないです…」 「そう…消してくれるよね？…」 「…」 「ね？」 「…はい…」 「見せて。もう残ってない？…うん。いい子だね。ねぇ。石崎くん。中くんのこと好きならまず自分が努力してみて。こんなので脅して付き合ったって楽しくないはずだよ。ね？」 「…」 「泣いちゃった…ごめんね？ついておいで」 水無月先輩に促され後をついていく石崎を見送る。 後で知ったが水無月先輩と石崎は委員会が同じらしい。 人見知りの石崎を全面的にサポートしているのが水無月先輩で石崎は先輩には逆らえないらしい そのあと水無月先輩から連絡が来てもう大丈夫だと教えてくれた。