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第53話

今日はあいつらの戻ってくる日。 昨日からまた中の家に泊めてもらって一緒に登校した。 いつも通りに振る舞う中だったがやはり顔色は優れず休むことを提案したのだが中は首を縦に振らなかった。 逃げていても仕方ないから…と 中を教室まで送った。 周りからやたらと注目されたが気付かない振りをして中の頭を撫で教室へ来たのだがすぐに連絡がきた 『今日の昼休みに敦夢が中と話したいとのことですがやはり中は震えています。睦月先輩昼休みお時間頂けないでしょうか?』 幸三郎からでその日の昼休みは生徒会の仕事があったのだが三葉に任せどうにか時間をあけた。 そして昼休み… 呼ばれた場所へ行ってみるとそこにはあのときの奴等が勢揃いしていて中と対峙していた 「お待たせ」 声を掛け中の隣に行き中の背中を擦る 小刻みに震えていた中の手を握って声を掛けると少しずつ震えは収まってきた 「中。大丈夫だよ。俺がいるから…」 小さく頷いたのを確認し真ん中にいた敦夢を見据える 「先輩…お忙しい中お時間を頂きありがとうございます。申し訳ありません。」 「いや。俺は大丈夫」 深々と頭を下げる敦夢を真似、他の奴等も頭を下げた 「中」 名前を呼ばれただけなのにびくりと肩を揺らす中に堪らなくなって握る手の力を強めた 「中…ごめん…謝ったことで中の傷を治すことは出来ないんだけど…本当に…ごめん…悪かった…ゆきのことになると…俺…普通でいられなくなって…ごめん…中がゆきのことそんなやらしい目で見ているはずもないとわかっていながら…中とゆきのことをお似合いだと言う周りの言葉に…すごく…腹が立ってしまって…やり過ぎた…ごめん…ごめんな…」 「…敦夢…幸のこと…まだ好きなんでしょ?」 「…好きだけど…側にいてはいけないな…こんな…最低な…俺なんて…だから…ゆきとは…別れる…これが俺にとっては罰になると…思うから…そして…俺は…退学する…」 「え?…」 「俺がいると…お前の傷は…癒えないだろ…だから…もうお前の前には現れない…お前はそこまでしなくていいといってくれたけど…でもそれじゃあ…あんまりだと…そう…思うから…」 敦夢は揺るぎなく中を見詰めそう発した 「…」 周りの奴等も同様の考えのようで…俺は…正直その方がいいと感じたのだが… 「敦夢。俺に悪いと思うなら…ここにいろよ。この学校に…そして…幸の隣に。ここからいなくなる?幸と別れる?そんなのなんの解決にもならないだろ?俺はお前が好きだしちゃんとわかってた…本当は間違いには早くから気付いていただろ?でもお前は昔から真っ直ぐだから一度始めたら止め方がわからなくなっただけ…お前らもそうだろ?だって敦夢の友達だから…みんな真っ直ぐで嘘がつけなくて…だから…俺は…もっと…お前たちと仲良くなれたら…周りのやつらにもお前らのこと好意的に見てくれたら…そう思ってるんだ…だから…悪いと思うなら…ここにいて?」

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