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第55話

放課後 生徒会の仕事を早々に片付け帰路につく。 「会長」 「ん?どうした?」 「…好きです」 「は?どうした?三葉副会長。」 「…ずっと…ずっと…好きでした…ずっと見つめてきました」 「…」 「だから…わかってたんです…貴方があの後輩に特別な感情を抱いていたこと…」 三葉 颯…彼は俺とトップを争う中の一人。高校入学当初からこの名前をよく見ていて早い段階で存在は知っていた。 その姿をとらえた時の衝撃は今でも残ってる。男性とは思えない美しさを持っていたから。 背は俺と同じくらい。少し色素の薄い髪を緩く結っていて制服を着ていなければ女性だと思える容姿をしていた。 「…」 気が付かなかった…俺は割と気付く方で自分に好意を寄せているものはだいたいわかる。でも… 「ふふ…気が付かなかったでしょ?必死で…取り繕っていましたから…。一目惚れ…だったんです…貴方が同性しか愛せないこともかなり前から気がついていました…だからあわゆくば…と思い貴方の目にいれてもらおうと勉強を必死でしました。でも…貴方はずっと水無月くんを思っていて…そして…しばらく…その気持ちが叶わなかったことを知り…これ幸いと…最低のことを思いました。…なのに…貴方が他に目を向けることはなかった…そんな貴方が気にかける人が現れた…そして…貴方は気がついたのでしょ?自分の思いに…だから…俺も…先に進まなければ…貴方のことが好きでした…でも…貴方には…本当の笑顔を浮かべていて欲しいから…俺にはそれは出来そうもない…だから…ここで区切りをつけたかった…突然すみません。でもスッキリしました。中くんと…幸せに…これからも生徒会役員の一員として貴方を精一杯サポートさせて頂きます。中くん待ってるでしょ?行ってください」 「ごめんね…三葉…気付いてあげられなくて…思っていてくれてありがとう…君も幸せになって…じゃあ…行くね…」 三葉に背を向け生徒会室を後にした。早く中に会いたかった… 「もう…会長…優しすぎ…」 俺が帰った後三葉はボロボロと泣いていたことは俺に知る術はなかった… 「颯…」 「…ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ…焔…」 「颯…俺じゃ…ダメなの?…」 「なんですか?」 「何でもない。帰ろ…」

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