60 / 80

第60話

敦夢side 一目惚れだった。 小さくてかわいくて…ちょっとおっちょこちょいで放っておけなくて… でも勇気がなくて声をかけられなかった。その子に焦がれている人は沢山いた。 男にも女にも大人気のそいつ。坂本 幸三郎 見た目と名前のギャップも俺を虜にした一つの要因でもあった。 幸三郎の隣にはいつも背の高い幼馴染み 霜月 中。そいつもかなり人気者だった。 いつも一緒にいてとても仲良くて… 俺の存在は二人には全く認識されてないだろう。まさに陰と陽の関係。 日の当たらない俺とキラキラしてる二人… どうやったらあの二人の目に写ることが出来るんだろう… それから俺は必死で努力した。大嫌いな運動も始めて大嫌いな勉強も頑張った。 中は腕っぷしも強そうだから俺も何か格闘技をとボクシングを始めた もう必死だった。誰よりも精一杯努力した。それは実を結んで。中学に上がるとすべての成績が上がり陽の目をみることになってそして… 「円城寺 敦夢くんだね。小学校一緒だったの知らなかったよぉ。宜しくね」 中2で同じクラスになれて席も前後で近くて沢山話せるようになった。 「坂本くん。よろしくね」 「うん!ねぇねぇ。円城寺くん」 「何?」 幸三郎が目にかかった俺の前髪を上げる 「ねぇ。せっかくカッコいいんだから髪あげたら?ね?」 幸三郎の言う通りにしたらこれまで見向きもされなかったのにモテるようになった。 「あーちゃん。」 「なぁに?ゆき」 お互いあだ名で呼べる関係になれた… 「まぁた告白されてたね。オーケーしないのはなんで?」 「好きな人いるんだよね」 「そうなんだ…」 「どした?」 「…」 「ゆき?何で?泣いてるの?」 「え…えと…何で…かな?…わかんない…」 ねぇ…勘違いしていい? ゆきの手を引き教室を出て保健室へ向かった 「あーちゃん?」 不思議そうにするゆきを抱き締める 「え?」 「ねぇ。ゆき…俺の好きな人…ゆきだっていったら…どうする?」 「え?!うそ…」 「本当…小学校の時から…ゆきのことが好きだった…」 「ほんとに?」 「ゆきは…中が好きなの?」 「違うよ…僕は…僕も…あーちゃんが好きっ…」 真っ赤にしながら言うから可愛くて初めてのキスをする。柔らかい甘い唇。何度も何度も堪能した 「ゆき…俺の恋人になって?」 「うん!!」 こうしてゆきを手にいれた…

ともだちにシェアしよう!