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第67話
「さぁな。そんなこと聞いてない。ただ言えるのはゆきは俺の方が好きってことだけ」
「あのさ…思ってたんだけど…」
「何?」
「いや…何でもねぇ…」
「そ。もう予鈴だよ。次移動だろ?」
「そうだった。」
バタバタと走り去る奴等を見送り壁を殴り付ける…
「中…お前は…好きなやついるんじゃねぇの?」
そのために俺とゆきの二人の時間割いてやったのに…
「敦夢?こんなとこで何やってんの?」
高校に入り仲良くなったこの学校では数少ない柄の悪い奴等。
政治家の息子、医者の息子、弁護士の息子…
それなりの家柄で実はかなり成績もよく次席は大概医者の息子である大河。次いで弁護士の息子である豹。少し間をおいて永遠。とはいえ永遠は常に十位以内だけど。ただ永遠は手を抜いてる。真面目にやればおそらく俺より出来る奴
そして…中のことを相当気に入っている。
三人揃って幼馴染みらしくずっとつるんでいるんだそう。
「中とゆきの噂聞いてる?」
「あぁ。聞いてる。二人が婚約してるってことでしょ?どうなん?」
「してないし、ゆきは俺の」
「そうだよね…俺そろそろ本気で中くん落としに行こうと思ってるんだけどさ…」
「あいつ確か生徒会長に好意がある」
「それも知ってる敵わねぇよなぁ。あの人この界隈じゃ結構有名な人でさ」
会長は容姿もさることながらスポーツもでき、そしてこの辺りじゃ喧嘩も結構強いらしい。ただ拳を振るうのは相手がクズのときだけ、残りは対話で解決していく
中が幸せそうに話してるから脈アリだと思ってたんだが…
「中くん振られちゃったけど必死で会いに行ってて…そんな姿見てたら応援したくなるよねぇ。で俺はまだ告白すらできてない」
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