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第77話
「…あーちゃん…おはよ」
弱々しく声を掛けてきたゆき…怖いのか少し俯き気味で…でも…無理して笑ってくれた…
こんな顔させたくなかったのに…手を伸ばし触れようとしたけれどそんなことしたらゆきが汚れてしまいそうで挙げた手をゆっくり下ろす
「おはよ…ゆき…」
「あーちゃん…話があるんだ…」
「うん…」
「放課後…僕の家にきて?」
家に?…自分からするって決めてたけど…やっぱり…別れ話…だよね…辛いけど悪いのは俺だから…
「わかった…中は?」
「もうすぐ来るよ…」
そういった直後声がかけられた…
「おは…よ…敦夢…おかえり」
「中…」
中がびくりと肩を震わせた…ただ名前を呼んだだけなのに…
「中…」
次々に奴等がやってきた。ばつが悪そうに目を逸し俯く…
「中…昼休み…時間もらえない?」
「…わかった…」
小さく震える中の姿をそっと見つめた…こんなに怯えさせてごめんね…苦しい思いさせてごめんね…
「中…ねぇ…あーちゃん…中一人で来ないとダメ?」
「…生徒会長呼んで…怖いでしょ?一人でなんて…だから…」
「…一応聞いてみるね。先輩何かと忙しいから…」
会長が側にいてくれれば中はきっと…会長にも謝らないと…中をお願いしないと…
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