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第34話

何度も何度も深く腰を打ち付けられ 入り口の傷に、再びピリッと痛みが走る。 内壁を、激しくハイジのカリが何度も刮げ 内臓を串刺しにするかの様に、何度も何度も最奥を一気に突き上げられる。 「………っっ、!」 ……いた……い…… 息も上手く出来なくて……吐き気さえする…… 「……言えよ、さくらっ……!」 ……ジャラ…… まるで悲鳴のように、ハイジが呻く。 「優しくしてやるから……」 「………」 ハイジ……ごめん…… ……ごめんね…… どんなにされても 酷く乱暴にされても ……やっぱり僕の全ては……竜一のものだから…… 「………ッ、!」 ……いま、何時だろう…… 雨音はすっかり消えている。 代わりにカタカタと強風が吹き付け、窓枠の揺れる音だけが聞こえていた。 ここに連れて来られてから……何度されたんだろう…… ベッドに俯せたままゆっくりと瞬きをし、ぼんやりと思考を巡らす。 プルルルル……プルルルル…… 乱暴な行為の最中。 ベッドサイドに置かれたハイジのスマホが光を放ち、震えながら鳴り響く。 それにハイジが手を伸ばし、拾い上げる。 「……はい」 それまでとは違い、ドライな声色。 先程までとは違う空気に変わり、ハイジの腰の動きが止まる。 「わかりました」 静かにそれだけ言うと、硬くなったままのソレを僕から引き抜く。 そして何事も無かったかの様に、緊迫した空気を放つハイジがベッドから降りる。 「………」 身を捩ってハイジを見れば、その瞳からは一切の感情が抜き取られていた。 ボルトクリッパーで作業員の頭をフルスイングした、あの時と同じ瞳…… その変わり身の早さに、僕はただただ驚くしか無かった。 シャワーも浴びずに着替え、ハイジはサッと髪を手櫛で搔き上げ簡単に整える。 プラスチックの様に金色に光る髪。 それは、今のハイジに良く似合っている。 「……いい子してろよ」 「………」 手首に嵌められた、手錠。 首輪の中央にぶら下がる、南京錠。 その南京錠とベルトとを結ぶ、目の細かい鎖。 物理的に僕は……ハイジの所有物だ。 「いってくる」 横になったままの僕に顔を近付け、触れるだけのキスを落とす。 だけどその瞳には、もう僕など映っていない。 濁った様な深い闇に包まれ、次第に邪気が色濃くなっていく。 これからの事を楽しむかの様に、ハイジの口角がクッと上がる。 「………」 何がハイジを、こうさせてしまうんだろう……

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