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第68話
不意に解かれる手。
ハイジのその手が、僕の脇腹から腰骨までしっとりと撫でる。と同時に反対側の手が、僕のスウェットパンツを下着ごと擦り下ろす。
既に布地を湿らせ、緩く立ち上がってしまった陰茎。僕のそれを、ハイジの手が柔く包む。
先端に溢れた朝露の様な甘蜜の雫を、ハイジの舌先が掬って絡め取る。
「……ゃ、……」
慌てて手を伸ばし、ハイジの肩を軽く押し返す。しかし、それを無視し──
「………っ、!」
窄め尖らせた舌先を、引いた糸が切れる間もなく先端の小さな割れ目に挿し込む。
まるで蜜液の源泉でも掘り起こすかのように、舌先を動かして執拗にそこを刺激する。
瞬間──ビリビリッと柔らかな甘い電流が、腰の後ろから背中へと駆け上がり、脳天まで突き抜けていく。
「……んっ、」
はしたなく先端から蜜液が零れ、張り詰めて屹立してしまう陰茎。
全てを吐き出したくて、苦しくて……
気がおかしくなりそう……
……やだ……
やだ……ハイジ……
こんなの、知らない……怖い……
甘っとろい蜂蜜の沼にズブズブと沈んでいき、意識が内側から破壊され……
蕩けて消えて……無くなってしまいそうで……
「……ハイ、ジ……」
「………」
こんなの、僕じゃない……
懇願するように喉の奥から声を絞り出し、身を捩ってイヤイヤをする。
両足を動かすけど、中途半端に下ろされたパンツのせいで動きが制限され………内腿を少し擦り合わせるだけで、何の抵抗にもなっていない。
「……だめ……」
そう言ってるのに……ハイジの熱く湿った舌は、僕の屹立した肉茎を包み、飲み込んでしまう……
「………っ、!」
纏わり付く柔い熱。
強く吸われ。擦り上げられ。先端にあるカリの部分を、舌先で執拗に愛撫され……
裏筋を刺激され、再び鈴口に舌先を埋められ……愛おしむように吸い上げられて──
……じゅるっ、
やけに耳に付く、卑猥な音。
……ゃ、……やだ……
何度も襲う快楽の大波。それに飲み込まれそうになり、足の爪先を突っぱねて懸命に抗う。
どうにかなっちゃう……
……やだ、やだ……
丁寧過ぎる愛撫。
強すぎる刺激で吐き出される息は、どんどん乱れてしまい……
……はぁ、はぁ、はぁ
嫌だ……もう、オカシクなっちゃう……
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