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第105話

手が離れて直ぐ、僕の服の中にそれが滑り込む。 やや乱暴に手首を使って裾を捲り上げ、白い肌のキャンバスを空気に曝した。 「………ぁ、あぁ″……ん、」 小さく膨らんだ桜の蕾を口に含み、ハイジの舌が舐る。 数回、先端を舌先で弾かれれば、中心に芯を持ち、簡単に硬くなる。 押し潰され、根元をくるりと巻き取られ、舌で包んでヂュッ…と強く吸われ…… ビリビリとした刺激が体の深部に鈍く響き、その行き場を見失ってモヤモヤと燻る。 望んでいるようで、望んでいない……快楽。 体に力が入り、唇を合わせ喉を反らせれば……ハイジがそれを見つけ、指で僕の口をこじ開けた。 「……ガマンすンなよ」 「っっ、……」 「声、聞かせろ」 ………怖い。 ハイジの瞳の奥に広がる深海は……暗くて底が見えなくて…… 僕を簡単に呑み込む、闇、闇、闇── 「……ゃ、あ、……っ、」 口から抜かれた指が、顎、首輪の上を通り……まだうっすらと残る、首の根元へと下がる。 「もう、何も思い出さないように……何度でも抱き潰して、オレでいっぱいにしてやる……」 重ねた手が、外される。 その瞬間……対等な立場が崩されたような気がした─── ……ジャラッ ピクリと動いた手に嵌められた手錠の鎖が擦れ合う音で、意識が戻る。 …は、……はぁ…、ぁ…… 小さく口を割り開けば、切れた口端からピリッとした鋭い痛みが走り、動きを止めた。 ……悪いのは、僕だ…… ハイジを傷つけるような事を……言ったり、したから…… まだ、意識が朦朧とする。 海に浮かんで、ゆらゆらと揺れているようだ。 「………」 そう言えば昔……母にこうして縛り付けられたっけ…… まだ寒い冬の夜に……裸にされて外に引っ張り出され……交通標識だかミラーだかの、地面に埋め込まれた細いポールに後ろ手で縛られて…… 次第に意識がハッキリしてくると、それに比例して体中に鈍い痛みが襲ってくる。 頭の芯に鋭い痛みが走れば、急激に吐き気も催した。 咥内には、切った時に出た血の味と入り混じり、白濁液の味が── 「……ぅ、お″ぇ……ェ、」 手錠を掛けられ、頭頂部の髪を掴まれ、 仁王立ちするハイジの前に跪いて、腫れて膨らんだ唇を大きく割り開く。 そこにハイジの怒張が突っ込まれ、容赦なく喉奥を突き上げる。 「……ぐ、ぅえ……ぇ″……」 フェラチオとは違う…… 確か……イラマチオって、言うんだっけ…… 苦しくて、涙で視界が滲む。 胃液が迫り上がってくるのを何とか抑え、目を瞑って必死で堪える。

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