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第113話
ズッ、ズッ、ズッ、ズッ──
速くなる律動。
それに圧され、同じリズムで漏れてしまう浅い呼吸。
「……ぁ、あ″、…ぁん、あっ、………」
グイと膝を胸の方へと寄せられ、後孔が上向き、更に奥へと突き立てられる。
「……う″ぅ、ぁぁ、あ″、……ぁあっ、!」
串刺しの内臓。
圧迫する下腹部。
寒気がし、冷や汗を発しながら震える身体。
苦痛に堪えきれず……濡れた睫毛の上下を重ね、ギュッと瞼を閉じた──時だった。
ガッッ、
「……目ぇ瞑ンじゃねーよ」
容赦のないハイジの頭突き。
顔の中心に鈍い痛みがし、じんと痺れる。
鼻奥から生暖かなものが溢れ、喉奥へとゆっくり流れていく。
……血……
錆びた鉄の臭いと味がして、初めてこれが鼻血だと気付く。
「……」
ぐちゃぐちゃの顔。
多分、凄く酷い顔をしてる。
イラマチオされる前から、既に殴る蹴るを繰り返されていて……折れてはいないものの、身体を思い通りにされる度に、骨が軋んで……痛くて。
頬や唇は、痛みの熱が伴って、腫れぼったくなっているのが感覚で解る。
「──オレの目ぇ見ろ。
今、お前をヤってんのは誰だ。……言え!」
「……ぅ、っう、あ″、……は、ァ………ハイ、ジぃ……、」
「聞こえねぇよ!」
「……っはぁ、……ハイジ……っ、んぅ″……」
パンッ、パンッ、パンッ……
激しく肉を打ち付ける音。
それと共に響く、痛々しくも卑猥に響く水音。
「……ぅンぅ″、……ぁあ……ん″っ……」
痛みを逃す為に漏れてしまう声は、劣情を与えるものなんかではない筈なのに。艶やかに響いて聞こえてしまうのは……何でなんだろう……
……ギシ、ギシ、ギシ、
厭らしくベッドが軋む音を立てて煽り、この状況がプレイの一環である事を主張する。
「……はぁァ、……んンゥ″ッッ、」
ハイジの口から漏れる、低い呻きと熱い吐息。僕のナカで脈動し、張り詰めていくハイジの剛直。
優しさなんて、ない。
その切っ先は鋭く、僕を内側から何度も何度も切り刻み、何度も何度も傷つけるだけ───
……でも、ハイジの心を傷つけたのは……僕だ………
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