だったら、何で── 何でもっと、縛ってくれないの……？ 口説いておきながら、他の誰かとエッチして ……僕を、五十嵐なんかに預けるなんて…… そういうの、嫌だ── ハイジと似た顔をしながら、その扱いは緩く……僕を不安にさせて胸の奥を切なく締め付ける。 苦しいまま浅く短く息を吐けば、菊地の腰の動きが緩んだ。 「………悪かったな、不安にさせて……」 僕を見つめる瞳が、切なく揺れる。 「さくらが悲しむような事はしねぇよ。 ……他の誰ともヤらねぇし、……もう、お前しか見ねぇ……」 「……」 「俺が生きてる限り……他の誰にも、渡したりしねぇよ」 肘を付き、視線を絡めたまま僕との距離を縮め──僕の両手のひらを、優しく重ねた。 「俺には、お前が″最後のオンナ″……だからな」 ……え…… 胸の奥から、熱いものが込み上げる。それが目頭を熱くし、鼻の奥をツンとさせた。 割れた唇から見える、赤い舌先──それが、僕の目の縁に溜まった涙を掬い取る。 「そろそろ、動くぞ……」 「……ん、」 ……はぁ、……はぁ…… 再びの激しいピストン。 指を絡めギュッと握られ、ベッドがギシギシと軋む。 ……くるし、……い……… でも、気持ちいい…… ナカが抉り擦られる度…… 柔らかな甘い痺れが内側から沸き上がり、全身を包み込んで……ゾクゾクと震える。 気持ち、いい── 「……あ″ぁ、っ！！」 ある一点を擦られ、身体に電撃が走り──ナカが戦慄く。 「ここ、か……？」 「……ぃや、……、あ″ぁっ、や……、」 何度もソコを責められれば、何度もキュぅッと締め付けてしまい…… その度に全てが敏感になって 快感が、身体を支配していく……… 「……クソ、そんな吸い付いてきたら……長く持たねぇ……っ！」 苦しそうに震える声。 片手を離し、僕を抱き掬い、胸と胸を合わせる。──それはまるで……心と心が重なって、触れ合うような…… 熱くて、温かな……ぬくもり─── 「……ゃあぁ……、っ！」 ──ガクンッ 突然──暗闇が背後から襲い、全てが消える。何も、見えない…… あるのは、ガクガクと痙攣する身体だけ── ……なに……これ…… 怖い……… 必死に手を伸ばし、触れた背中と首に手を回してしがみつくと、驚いた瞳をした菊地が僕を覗き込んだ。 「……さくら……？」 「………あ……ぁあ″…、こわ、ぃ……、ゃだ……ゃ、…… 堕ち、る………おちちゃ………ぁ、 ……あ、あぁぁあ、あ″ぁあ…ぁ……あ、っ！」