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第201話

ズンッ、ズチュッ…… 何度も乱暴にナカを抉られる。その度に媚薬の残る身体は、滾る快感に素直に溺れてしまい…… 「……ん、」 はぁ、はぁ……… ……顔が、身体の芯が……熱い…… 奥が、疼いて…… ……欲しい、もっと…… もっと、突いて………奥まで…… こんな異常事態にも関わらず、身体が喜び震え……僅かに残る冷静な脳内にまで、欲望が浸蝕して…… 「ゃ、……っ」 それに抗い、何とか二本の腕を動かす。 ジャリッ……と金属同士のぶつかる音。それに遅れて襲う、手首の鈍い痛み。 「……ゃだ……」 首に掛かったハイジの手に、力が籠められる。 「……なん、でだよっ……!」 「……」 「何で俺とはダメなんだよ、さくら」 見開かれた瞳── ガラス玉のように、冷たくて…… 「……っ、」 ごめん、ね…… ……ハイジと……は…… 破滅する、未来しか……ない、から…… 「……じゃあ、菊地とはいいっつーのかよ……! 俺の人生をめちゃくちゃにした、バリバリの凶悪犯罪者だろうが……!」 「……」 ……わ……かんな……い…… でも、多分………悪い人じゃ、ない……… ……ハイジが……思ってる、より…… ずっと、……優しくて、繊細……で……… 「……ふざっけんな……!」 ハイジが声を荒げる。僕の内なる声をスパッとぶった切る。 つり上がった口端。 カッとなった時の……邪気を孕んだ瞳。 「ンな訳あるかよ……! ……騙されて、簡単に足開いてんじゃねぇ……」 ドクン、ドクン…… 強く押さえ込まれた頸動脈。 その大きな脈動と連動するように、ナカがひくひくと戦慄く。 ゾクッ…と寒気立ちながらも、ゾクゾクと身体中を駆け巡る快感。 引き裂かれる…… 心と身体が……おかしくなる………! 「……許さねぇからな」 ガラス玉のような瞳から、大粒の涙が零れる。 それが僕の頬に落ち、熱く濡らして…… 「……菊地に抱かれて、アイツの女になるくれぇなら…… ───今ここで、殺してやるよ」 ハイジのもう片方の手が、ボルトクリッパーを徐に摑む。 血で赤黒く濡れた刃先。 腰を緩く揺らしながら身体を起こし、それを僕の眼前に向ける。 「……安心しろ。絶頂した瞬間に、逝かせてやるから」 「……、!」 「一緒に、逝こうぜ」 躊躇無く、振り上げられるボルトクリッパー。 快感に溺れながらも、ギュッと目を瞑る。 頬に、ひやっとした感触…… ぶるっと身体が震え、瞼をゆっくりと上げた。 ……はぁ、はぁ…… 「──大丈夫か?」 ゆっくりと瞳を動かせば、ぼんやりとした視界の中に、ペットボトルが映り込んだ。 「随分、うなされてたぞ」

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