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第223話

××× 後部座席に移り、お互い下だけ服を脱ぐ。 寛司の腿の上に跨がって膝立ちをし、腰を浮かせたまま寛司の首に両腕を絡ませる。 突き出したお尻。骨張って肉付きの悪いそれが、寛司の片手で包まれれば……予め自身の先走りで濡らした指先で、後孔を弄られて── 「………っ、ぁ 」 強い刺激に、思わず声が漏れてしまう。 寛司にしがみつこうとすれば、シャツを少し乱暴に捲り上げられ、露わになった桜色の小さな膨らみを舌先で弾き、柔くしゃぶりつかれる。 ……と同時に、後ろを攻める指が、ゆっくりと侵入して…… 「ゃ、………っ、! あぁ、んっ!」 もう……何度もえっちなんて経験してるし……レイプだって、何度かされてるのに…… ──怖い 「……ぁ、あぁ″………」 初めて、指を挿れられた時にも感じた、よく解らない感覚。 僕が、僕で無くなってしまうような…… 何か、得体の知れないものに……僕の深部にある柔らかくて大切な場所を、無理矢理こじ開けられ、引っ掻き回され、壊されてしまうような──そんな、恐怖と不安が襲って…… 「痛いか……?」 「………ん″ん、ぅ……」 小さく、頭を振る。 寛司の肩口に顔を埋め、肩で浅い呼吸を繰り返す。 「………大丈夫だ。怖くねぇよ」 耳元で甘く囁く、寛司の声。 僕をあやすように、片手で優しく髪を撫でて。 ……どう、して…… そんな事まで、解ってしまうの……? 「さくら……」 呼ばれて、ゆっくりと顔を上げる。 間近で潤み、揺れる瞳。 「……ありがとな」 優しい声。優しい吐息。 肌に柔く纏った後、その唇が僕の耳朶を優しく食む。 きゅぅ…、と締め付けられる胸。 こんなにも僕の事を想ってくれて、僕の事を解ってくれて、優しくしてくれる人なんて……多分、他にいない。 「……、ん……」 いま、僕……どんな顔してるんだろう。 今まで、寛司に対して感じた事のない感情が、身体の深部から沸き上がってるのが、自分でも解る。 それが何なのか──解ってるようで、まだよく……解ってない。

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