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第224話

さわさわさわ…… 木々に囲まれた中に駐まる、一台の車。 閉めきった窓ガラスが薄らと曇り、僕達の行為を外部に隠しつつ、それを象徴させている気がして……恥ずかしい。 陽が沈み、刻一刻と闇が辺りを支配し始める。 視覚を奪われていく度に冴えていくのは──それ以外の『五感』。 交差する、熱い吐息。 息遣い。寛司の匂い── 触れた肌は、しっとりと熱く。 火傷してしまいそうなのに……離れたくない。もっと、触れ合っていたい。 「……欲しい、か?」 耳元で囁かれるのは……切なげで酷くえっちな声。 熱く掛かる息に、ゾクゾクッと震え、背面に快感が走り抜ける。 素直にこくんと頷けば、僕を抱え直し、反り勃つ寛司の先端に後孔が当たるよう、僕を導いて…… 「………え」 この体勢で、なんて……初めてで。 腰を浮かしたまま、真っ直ぐ寛司を見つめ返す。 「まさかお前………この体位、初めてか?」 「………うん」 「そう、か……」 戸惑い、はにかみながら答えれば、寛司の口元がフッと緩む。 その顔が何処となく嬉しそうに見えて、恥ずかしくてそっと目を伏せた。 寛司に支えられながら、ゆっくりと腰を落とす。 ……ズッ、ズズッ…… 熱くて、太くて、硬くて…… 身を委ね、少しずつ腰を沈めていけば、苦しそうな寛司の小さな呻きが、僕の鼓膜を震わせた。 鼻から抜けたその声が、堪らなく僕の熱情を煽って…… 「……っん、」 顔も身体も、熱い。 ゾクゾクして、早く寛司のものを根元まで受け入れたいと、ナカが疼く。 「無理、……すんな」 痛みに耐えながら、急いているように見えたらしい。 「………違、ぅ……」 唇から漏れる、熱い息。 自分でも解る程、声色が……ヘン。 「欲し、……もっとぉ……奥……、ぅん″っ……」 ……よく、解んない…… けど……凄く、愛おしく感じて…… 僕の中を、寛司でいっぱいにしたい。 隙間なく、満たされたい。 もっと…… もっと、寛司に……愛されたい…… 「クソ、……」 寛司が低く呻き、僕の腰を掴んでグッと引き寄せる。と同時に、下からズンッと突き上げられて…… 「──!! あ″ぁぁ、……っん……ぅ″、」 一気に最奥を攻め込まれ、いい所を突かれる。その質量と圧にも関わらず、内壁(ナカ)が柔くひくひくと戦慄く。 背筋が、内腿が──、快感に震えて。 ……熱くて、熱くて……乱れた吐息が淫らに漏れてしまう…… それに入り混じり、普段の僕じゃない……鼻から抜ける、甘ったるい声──

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