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第360話

──はこ、にわ……? 思ってもみない言葉に、動揺が隠せない。 想像する暇も無く、サッと全身から血の気が引く。 「昏睡状態の若葉は、もう目が覚める事はないだろう。つまり──」 「……」 「若葉の時代は、もう終わったも同然。……次は、姫の番だ」 指を何度も出し入れしながら、今度は剥き出しの首元に(かぶ)り付く。 立てられる歯。そこに集まった快感が、電光石火の如く、手足の末端まで走り抜けて── 「──ぁ、ぁああ″、……っ」 甘く痺れ……力が抜けていく。 堕ちて蕩けていく、身体……… 「後ろ、感じ易いんだね。……可愛い……ん、……エッチなお姫様は、大好きだよ」 「………ゃ、やだ……っ」 熱い吐息が項に掛かり、意地悪くそこを何度も食まれる。 ちゅ、ちゅ、とリップ音が嫌に響く中、僕の中を犯す指が、名残り惜しむようにゆっくりと引き抜かれる。 「間違いなく、淫乱な子だ」 ………違う。 僕は、こんなの……好きじゃない。 好きじゃ…… 「嘘だね。さくらの身体の中には、若葉の血が色濃く混じっている。 ……好き者なんだよ。 それをどんなに否定したって、決して抗う事はできない」 「………」 確かに、僕は若葉の子供だ。 そういう素質が、全くないとは言い切れないのかも。 ……けど…… ハイジが、五十嵐がそうだったように───僕は、僕だ。 「ふふ……そうやって抗っていても、無駄だよ。 俺の言ってる事、本当は信じていて、ちゃんと受け入れてる癖に」 「……」 「寂しがり屋のお姫様は、潜在意識レベルで肌を重ねる事を望んでいるんだよ。 そのうち、セックス無しじゃ生きていけない身体になる程にね……」 「……」 開放された窄まりに、今度は別の何かが宛がわれる。 濡れそぼつ先端。生温かで芯のあるそれは── 「──!」 ズンッ 腰を掴まれ、奥深くに打ち込まれる。 だけど──ぐちゅぐちゅに濡れたソコは、屋久のモノを簡単に受け入れてしまい……… 「──っ、ぅん、ぁ、あ″ぁぁ……っ!」 ぎゅっと手を握り締める。爪痕が手のひらに深くつく程に。 熱くて、熱くて……苦しいのに、奥が何度も疼いて、堪らない…… 「姫はいずれ、快楽に溺れながらも相手を手玉に取るようになる。……若葉とは違ったやり方で」 ズッズッズッズッ…… 「──だから俺達二人で…… この身体に快楽を教え込んで、その才能を引き出してやるんだよ」

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