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第425話
ゾクッ……
身体中を駆け抜けていく、悪寒とも快感とも取れない震え。その甘く痺れていく感覚を受け流し、太一を間近でぼんやりと見つめる。
「……」
「………あぁ……凄ぇ色気だな。堪んねぇ……」
ドクドクと脈動し、より太く硬くその存在を誇示する太一の怒張。真っ直ぐに見下ろされる、二つの眼。ナイフのように尖り、何処か冷めたようなそれに、甘く蕩けたような劣情が宿る。
じっと見つめられれば、不思議とナカがズクンと疼いてしまい……
「………っ、は……、」
唇の隙間から漏れる、微かな吐息。首筋や胸元から立ち篭める、噎せ返る程の甘っとろい匂い。
周りを囲うようにして傍観する男達の鼻腔をも、擽ってしまったんだろう。それまで大人しくしていた男達が、耐えきれずに自身のモノを握って扱く。
「──俺はなァ、お姫サマ。初めて会った時からそそられてんだよ。
脅えながらも、ハイジに手を引かれて溜まり場に足を踏み入れた時のお前は……そりゃあもう、可愛くなっててなァ。
どうやったら、ハイジの目ぇ盗んで一発ヤれるか……んな事ばっか考えてたんだぜ」
「……」
「んで、やっと邪魔者 が消えたと思ったら、今度は別の男を咥え込みやがって。
吉岡のお膳立てってのは気に入らなかったが、丁度イラついてたしな。
散々皆でお前を輪姦 して、ヤり捨てた時の姫の表情 といったら………マジで最高だったぜ」
太一の口の片端が、クッと持ち上がる。
「吉岡 の手前、一度は捨てたが……俺はいつでもお前を引き上げて、俺専属のオンナにしてやろうと考えてたんだ。
……なのに。いつの間にか山本のオンナに成り上がりやがって。
そのせいで俺らは、殺気立った山本から報復を受けるハメになってよ……」
「……」
………憶えてる。
確かモルが、ボコボコにしたって言ってた……
僕が誰に何をされようと、いつだって涼しい顔をして、突き放そうとまでした竜一が……太一達を───
「………でもな。そのお陰で気付かされたんだぜ。
裏社会の権力者を後ろ盾にする姫が、闇の世界に引き摺り込まれ……汚されれば汚されるほど輝きを増し、目を引く存在になっていくのを、な」
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