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第430話
容赦のない陵辱。
太一の合図 を皮切りに、我先にと群がる野獣達。
「……」
カタカタと、身体が震える。
太一が思い通りにした後、僕の残骸を仲間に喰わすやり方は……あの時と何も変わらない。
………あとどれ位、耐えればいいんだろう……
あと、何周すれば終わる……?
果てた男の凶器が抜かれ、入れ替わる度に後孔からとろ…と溢れ伝う精液。
それが潤滑油代わりとなって次を受け入れるものの、既に切れて熱を持ち、腫れ上がった入口は……痛みの感覚すらもう無い。
「……」
なのに、どうして。
時折腹奥から萌え立つ、甘い快感。
……そんなものなんか、いらない。
もし、少しでも感じた声を出してしまったら……奴等を喜ばせてしまうから。
絶望に似た感情のまま……窓のサッシに身体を預け、腕組みをしながら僕の様子をじっと覗う太一を視界に入れる。
その顔は、逆光でよく見えない。既に夕陽は沈み、アパートの屋上付近まで、すっかり空に闇が掛かっているというのに。
「……」
こんな時間になっても慌てる様子がないのは………多分、屋久達の帰りが遅いと解っているから。
それに──半グレグループは、人の出入りが自由だと、以前深沢が言っていた。
その分、繋がりも関係性もきっと薄い。裏切る事に、罪の意識なんて無いんだろう。……ハイジの時のように。
「ヘヘ……どうだ、俺のJr.は」
ぼんやりと思考を巡らせていれば……太一の姿を、次の男の影が近付いて覆い隠す。
ぴちゃ……クチュ……
耳殻に付着する、生温かな粘膜。
ハアハアと厭らしい吐息。
重ねられた汚らしい肌。下腹の奥に感じる、強い圧。
……ぢゅぽっ……、ぢゅぬ、
舌先が耳穴に差し込まれ、ゾクゾクッと悪寒が走る。
水中に頭を沈められ……耳穴に、水が入ってしまったような、嫌な感覚。
「………ぅ、やぁ″……っ、!」
叫びそうになってしまう声を、喉を絞めて阻止しようとすれば、その反応に気を良くした男が更に耳を攻める。
「そんなにコレが、イイか………?」
「………ゃ、あ″ぁっ、」
耳全体に掛かる、熱い吐息。
身じろいで抵抗するものの、簡単に力で捩じ伏せられる。ハァハァと、厭らしい呼吸を繰り返す男の肉欲が、僕の奥深い所を擦り上げながら執拗に耳を貪る。
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