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第448話

「──でも、いつまでも桐谷に甘い汁を吸わせる訳にはいかないからね。募集を掛けたんだよ。金に困っていて、大人しく家庭菜園してくれる奴を」 「………え」 瞬間、過ったのは──逃走資金を貯める為に大麻を栽培していた、ハイジ。 その乾燥大麻を売る為に連れて行かれた場所は……屋久が所属する、ホストクラブ。 ハイジの話だと、大友組の辻田には内緒で、そのオーナーから栽培の話を持ち掛けられた……って…… 「……」 何となく、見えてしまった。 ホストクラブのオーナーは、恐らく只の窓口。それを、どういう方法かは解らないけど、会員制SMクラブのオーナーに『運ぶ』。 辻田が探していたのは、裏切り者とその栽培者。あの日──僕の住むアパートに乗り込んできたのは、竜一が疑いを掛けられたから……? 「……」 少しだけ見開いた僕の瞳を、ビー玉のように冷たい蒼眼がじっと見下ろす。 ………もしかして。 屋久が整形したのって……辻田の目から、逃れる為──? 「粗悪なモノでも、安価なら客は喜ぶ。それに、手が出しやすい分……新規の客も増えやすい。 それまでの辛抱だと思って、俺は桐谷のしつこすぎる性処理に耐えたよ」 じゅぶ、じゅく…… 足下に跪き、桐谷の下肢の付け根に顔を埋める。 もう、どれ位しゃぶっているんだろう。例え顎が外れようと、咥内に何度果てようと、止める気はないらしい。 桐谷が満足するまで、ただ只管に耐え続けるしかない。 「いい眺めだな……」 「……」 「お前はあの女と違って、賢い上に舌遣いも上手い」 屋久の頭をゆっくり撫でた後、汗で湿った前髪を搔き上げ、睨み上げる屋久の表情(かお)をじっくりと堪能する。その口元はニタついて厭らしく歪み、他の女とのセックスでもこんな顔を晒しているのかと思ったら、内心可笑しくて堪らない。 「そろそろ、イくぞ」 「──っ、!」 両手で頭部を固定され、激しくなるピストン。容赦なく喉奥を深く突かれれば、胃の底から苦いものが迫り上がってくる。 それをゴクンと飲み込み、再び桐谷を睨み上げる。 「……」 今、だけだ。 あと少し我慢すれば、この屈辱も終わる。──そう心に刻みながら。

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