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第485話

「……ぁ、……」 刺激を与えられ、ビリッと小さな快感が身体中を走り抜ける。 ぷくっと膨らむ薄桃色のつぼみ。 心に蔓延っていく、絶望…… 「……へぇ、男でもカンジんだな。面白ぇ」 「……」 反応なんて、したくなかった…… ただ只管無になって、嵐が過ぎ去っていくのを待つだけで…… 男の中に次々と好奇心が芽生えてしまえば、それだけでろくな結果にならない事位は解っていたから。 「舐めたら、どんな声が出るんだ?」 平たい胸を、女のそれと同じ様に揉みしだき、強く掴んで乳首の周りを無理矢理隆起させる。 近付く男の舌。 息づいた男の吐息が掛かって、じんと熱い。 「………ゃだっ、!」 耐えきれず、腕を押し上げながら叫ぶ。 だけど……当然ながらぴくりともせず、無駄な抵抗だと思い知らされる。 「うるせぇ!」 心臓を突き刺す怒号。 ──と同時に飛ぶ平手。ぱちんと弾く音と共に、頬を襲う痛みと熱。 骨が折れてしまうんじゃないかという程、強く乱暴に上から両手首を押さえ付けられ、痛みが走る。 ……はぁ、はぁ、 苛立ちと興奮で乱れる、男の呼吸。 一度心が拒絶してしまえば、肥えた恐怖が容赦なく僕に襲いかかる。 「……」 ……やだ…… 小刻みに震える身体。 抵抗しようにも、怖くて身体が動かない。 声も……出ない…… 「………あぁ、堪んねぇなぁ……この匂い」 狙われたのは、晒された脇の下。 顔を埋め、鼻を擦り付けられながら、濡れそぼつ熱い舌を何度も這わされ…… 「………っ、」 初めての刺激。辱められながらも、恐怖と擽ったさに犯される。 身を捩って逃げようとするものの、敵う筈も無くて…… 「……」 隆起し硬くなった、男の欲望。 絶望だけが広がっていく。 ……やだ…… 「……!」 びちゅ…、グチュ…… ねっとりとした舌先が、脇の下から離れ……再び揉みしだかれた胸の頂へと移る。 芯を持った小さなつぼみ。そこを執拗に舌先で転がされ、弄ばれれば……苦痛の中から引き出される、僅かな快感。 ……やだ……助けて…… 助けて……! ──ガチャンッ 「……おい、何やってんだっ、!」

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