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第5話

 がくん、と魔王の膝から力が抜ける。 「な……、何だこれは……」  じんじんするのは、背中なのか腹なのか。それとも股間なのか――。身体が火照り、芯がまるで痺れたように疼いている。 「わぉ、賢者が一番悪人だな。さすが元遊び人」  魔法使いがうれしそうに口笛を吹く。賢者は「それは言わないでって何度も言ったでしょ」と頭をかいた。その糸目をゆっくり開くと、ブルーの眼球が姿を現した。 「さあ、宴を始めましょうか」  その言葉が合図かのように、勇者が魔王の赤い唇に吸い付いた。 「んーーッ」  キスだけで、なぜか魔王の身体が悦んでいる。 (あの変な呪文のせいだな……!)  魔王の後ろに回り込んだ魔法使いが、破れた魔王の黒装束を全てはぎ取り、胸の飾りを弄び始めた。 「乳首がピンク色だ……すっげえエロい」  指先でその突起をこね回し、押しつぶし、時には周りを円を描くようになぞる。 「や、やめろ……私は女のようにそこで悦ば――アァッ」 「悦んでるよね?」  魔法使いは指先で乳首をつまむと、軽く引っ張った。 「あぁっ、ひっぱるな……ッ」  その間にも、勇者の舌が口内を犯していく。勇者はまるで変態のように「なぁ舌出して」「チューしよ」「口開けて」とせがむ。魔王はその命令する声にも身体を甘く痺れさせ、まるで従うことが当然かのようにい、勇者の舌に自分の舌を絡ませた。 「んッ……んんッ……」  勇者の唾液が喉の奥へと流れ込み、それを飲み下すと、さらに身体が熱くなった。同時に太ももに誰かの手が伸びてくる。視線を向けると、賢者が白い内ももを手の平で撫でていた。 「なんという柔肌……」  そこにゆっくりと舌を這わせるせいで、魔王は身体をビクンと大きく揺らした。聖職者とは思えない淫靡な舌使いは、太ももから股間へと移動する。 「あ……んぁ……っ、そこはやめ……っ」  唯一残っていた腰巻きを賢者が剝くと、適度な大きさの淡い色をした雄の象徴が、すでに張り詰めて震えていた。 「いやらしい魔王様ですね」  その先端に口を寄せると、賢者は尿道を広げるように舌先を押し込み始めた。 「ああっ、やっやめ……ああッ♡」 「はっは、やめて欲しい声じゃないな」  魔法使いがうれしそうに笑うと、魔王の臀部に手を這わす。袂から何かの小瓶を取り出しそれを指先に垂らすと、双丘の狭間にぬるりと差し込んだ。 「んんッ!」  びくりと身体を揺らし、そこで一瞬我に返る。呪文のせいで身体が疼いているが、この勇者一行は、これから自分を犯そうとしているのだ、とはっきり自覚したのだ。 「この……!」  今度は魔法使いの目を睨み、瞳を光らせる。こうして幾人もの勇者や騎士を石に変えてきたのだった。しかし――。

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