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Ⅳ うそ②

「君をずっと……」 俺をずっと? 「加護してきました。君が強運なのも私の加護があるからです」 緋を灯した瞳が、不思議な光を帯びている。 「水をかけたのは、わざとですよ」 えっ。 「君との接点が欲しくて、水をかけました。 そもそも、この家に引っ越したのも君のお隣さんになりたかったからです」 グイッと手を引かれてバランスを崩した体が、天本さんの胸になだれ込む。 「君は忘れてしまったんですね……」 物言いたげな眼差しに、ドクンッと鼓動が軋んだ。 どうして彼の俺を映す瞳は、こんなに切ないのだろう。 どうして俺は、彼を想うと切ない気持ちになるんだろう。 俺は、天本さんを……… 思考は突如、停止する。 チュウっ 「ぁうっ」 熱を孕んだ唇が耳たぶをかじる。 「陰から君を守るのは、もうやめにしようと思います」 俺の体、天本さんに抱っこされてる。 「君が欲しいです。涼君……」 熱に浮かされた吐息が耳朶をすくった。 「私はずっと……」 天本さんは、ずっと? 「君が思い出してくれるのを待っていました」 思い出す? 俺が、天本さんを……… 「けれど。いい加減、我慢の限界です」 「わわわーッ!」 反転させられた体のお尻の割れ目に、固いのが当たってるーっ★ 「コレで全部、教えてあげますよ」

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