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秘密の関係
「どこいくの」
耳元で囁かれた声はハスキーで、妙に色気があって、それでも何処か寂しそうな声色はか細くて、すっと耳の奥に消えていく
「何処って...皆の所
戻りましょうよ店長も、皆探してますよ」
ね?と首を傾げて促してみるが微動だにせずゆるゆると首を左右に振って、片手で器用に個室の扉を閉めて鍵を掛けてしまった
行く手を阻まれた挙句、更に追い討ちをかける様に首の後ろに両腕を絡められて身体が密着する
不意に首元に生暖かい吐息が掛かり『凪くん凪くん』と強請るように連呼され、首元から鎖骨辺までチュチュと軽く食むように口付けられる
擽ったくて身を捩っていると自身の股下に熱を帯びた硬い何かが押し当たる
それが何なのかは分かりたくなくても分かってしまう
何の纏もなく剥き出しのまま勃ち上げられたそれに片手でそっと触れるとピクリと震えたそれの先端からじわりと粘着性のある液体が漏れ出して、自身の掌に広がった
とろとろ流れ出る先走りを全体に馴染ませる様に硬くなったものを軽く握り上下させる
俺の手の中でクチュクチュと卑猥な水音が響き、俺の右肩に顎を乗せた状態の店長の息づかいが荒くなるのを感じた
相手は男、自分も男
ましてや8つ年上のバイト先の店長
そんな相手を性的な目で見るなんてどうかしている
そう思うのに自分の身体は正直で、下着の中の中心部が芯を持ち始めてしまった
時折聞こえる甘い呻きに、扱く手の動きを加速させると強くなった刺激に耐える様にギュッと俺の服を両手で掴んでしがみついてくる
その仕草に素直に''可愛い''等と思ってしまっているあたり俺はきっと重症だ
首元にかかる熱い吐息
ぴったりと密着した肌と肌
店長は今どんな顔をしているんだろう
普段はクールな表情しか見せない店長の崩れた顔を見ないのは勿体無い気がして俺の肩に顔を埋めている店長の髪を鷲掴みして後ろに引き剥がして顔を覗き込んだ
「...えっろ」
余裕なく歪んだ表情は熱っぽくて、目が合うと誘惑するようにとろりと目尻を下げて「もっと」と囁いてくる
『動き止まってるよ』とでも言う様に自ら腰を振り、俺の手に握られたまま何の刺激も与えられなくなったそれを擦りながら快感を求めている
俺の気持ちを煽る様な言動と完全に主導権を握られているのに少し腹が立ち、咄嗟に目の前にある唇を奪い無理矢理舌を捩じ込ませた
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