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悋気は恋慕に火を灯す【8】
お互いをしっかりと昂らせたところで、俺は武蔵の口許からズルッとチンコを引き抜く。
おまけ~みたいにもう一回俺の口の中のモンをジュッて強めに吸い上げたら、『クンッ』て子犬が甘えるみたいな高い声をあげて武蔵が鳴いた。
どうもこれは芝居やなかったみたいで、ちょっと恥ずかしそうに俺の腿に顔を擦り付けてくる。
...うっわ、なんやこいつ。めっちゃ可愛いやん......
位置を変える合図にペチとケツを叩くと、ハッと我に返った武蔵は顔をこっちに向けてきた。
「ぼちぼちワンコの格好しよか?」
「ニャンコちゃうのん?」
フフッて思わず笑うと、武蔵は『ニャオ~ン』なんて言いながらケツを振り振り四つん這いになる。
何かスポーツやってたんか、キュッと締まってて筋肉でばっちり盛り上がったケツをヨシヨシって撫で、エクボでもできそうなすべすべの尻たぶにチュッてキスした。
「ヤらしいて可愛いニャンコちゃんやなあ」
「せやろ? ほらほらぁ、ちゃんとニャンコ可愛がっていっぱいご褒美くれな拗ねるで? んで、アスカも後から可愛い俺のニャンコになってな?」
「後で目一杯ゴロニャンするから、今は武蔵が一杯啼いとき」
割れ目を左右に強く押し開き、その中心にそっと触ってみる。
あ、案外柔らかい?
なんぼ経験者や言うてもノンケなんやし、ここが使えるようになるまでは少し時間がかかるやろうと思うてたけど、これやったらちょっと慣らしたらいけるんちゃうの?
ベッドの横に置いてあったローションのボトルに手を伸ばし、粘りの強いそれをプチュと押し出すと指の先に馴染ませる。
試しにと中心にヌルヌルの指先をクイと押し付ければ、やはり簡単に関節一つ分近くを飲み込んだ。
無理のかかれへん程度にそこをクチクチと弄りながら、キスするふりをしてそっと首筋に顔を寄せる。
「ノンケやのに、ここ使い慣れてんの?」
カメラは今、俺の指先と武蔵のアナルを撮ってるはず。
吐息に混ぜるように小さく囁きかければ、武蔵も今は口許が映される事はないってわかってるからか、目線を俺の方に寄越しながらニヤッて笑った。
「一から解してる時間なんてもったいないやろ? 中洗ってからしばらくプラグで拡張しといてん。まあ、撮影で使い慣れてんのはほんまやし、確かに女は好きやけどちゃんとケツでも感じるで? まあ...お前にそんだけのテクがあるかどうかは知らんけどな」
やけに挑戦的な口調やけど、その目にも空気にも、敵対心みたいなんは感じへん。
純粋に仕事に徹してんのか、それとも俺を試そうとしてんのかはわからんけど、少なくとも俺とのセックスに興味はあるらしい。
それにしても、ノンケが自分でケツの中洗って、おまけに異物まで突っ込んで拡張するってどんな気持ちなんやろう。
俺も客取ってた時には、前戯も慣らしもなんも無い奴に当たる可能性があるからって先に拡張しとく事はあったけど、正直ちょっと惨めやった。
変な形のプラグ入れたまんまホテルまで行くんはかなり情けなくて、そのまま帰りたなった事は一度や二度やない。
なんぼ仕事でも、俺と一緒におってくれる人にそんな思いはさせたなかった。
「心配せんでも、すぐにアンアン言わせたるよ」
「それは楽しみ。気持ちのエエ事は好きやで」
「はいはい、お楽しみに。あ、あとな...次俺と撮影する事あったらさ、あんまり先に拡張とかせんといて。撮影前に、俺がちゃんと丁寧に解したるから」
驚いたように武蔵が大きく目を開く。
すぐにそのまま目を閉じてフワッと穏やかな顔で笑ったから、たぶん了解のつもりなんやろう。
それに満足して、俺は体勢を戻した。
ジュブと中指を押し込み、それを引き出してローションを足すとまた中へと捩じ込む。
入り口を広げるように周囲をグジグジと捏ねながら人差し指を隣に添え、更にそこを開いた。
さすがに異物感があるんか、ケツにキュッと力が入る。
指を3本にするのと同時に、ちょっとだらしなく垂れ下がって頭の隠れた武蔵のチンコに手を添えた。
そのまままだ余りのある皮をを根元に手繰る。
ちょっとだけ現れた頭のとこをクリクリと擽りながら、中を探る指を思いきってぐるりと回した。
指先が敏感な所を掠めたんか、それまで背中を丸めるみたいにして感触に耐えてた武蔵がグンと体をしならせる。
ちゃんと前立腺は感じるみたいで、俺の手の中に収まったままのチンコはピクピク震えながらグググッと重みを増した。
おまけに、少し大きく強く指を出し入れするたびに、チンコの先からはポトポトと汁が垂れてくる。
どんどん荒く、熱くなる息遣い。
なんかほんま...ノンケにしとくにはもったいないくらい敏感な身体。
本気でニャンニャン喘がせたなる。
「なあ、指で満足? なんやったらこのまんまイカせたろか?」
「満足...ちゃうってぇ。入れてぇや...早よアスカのチンチンで...気持ちようして」
あー、ヤバい。
この見た目のくせに、こんな甘い声でおねだりとか反則やろ。
武蔵はちゃんと仕事してるだけやってのに、なんか俺、めっちゃ興奮してるかも。
「そしたら一杯突いたるから、一杯可愛い声聞かせてな?」
前立腺を掻くみたいにしながら一気に指を引き抜く。
「はぅっ...ん......」
ピュッてまた俺の手に垂れてきた先走りをペロッと舐めると武蔵の体をひっくり返した。
思いきり脚を左右に開き、膝頭を武蔵自身に押さえさせる。
俺はもう一度横のカゴに手を伸ばしゴムを取ると、キリッと封に歯を立てた。
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