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悋気は恋慕に火を灯す【9】
ここんところネコばっかりやったから上手い事いくかな、モタモタしてもうたらカットかかるんかな...なんて内心ドキドキしてたけど、手間取る事もなくコンドームをしっかりチンコに被せられた。
手のひらに押し出したローションをそのゴムの表面にたっぷりと馴染ませて、息でもするみたいにヒクヒクしてる武蔵のアナルに先端をチョンと押し付ける。
大原さんは相変わらずちょっと離れた所から俺ら二人の全身を撮ってるけど、ここはどうしても必要って事なんか、ハンディカムを持ったジュディさんがすぐそばまで来た。
ちょっと手を伸ばして俺の邪魔をせんようにしながら、結合部分にクローズアップしてるらしい。
なるほど、さっきとおんなじで『わかりやすくセックスを見せる』為に、挿入はしっかりと撮っとかなあかんわけね。
俺はジュディさんが更にカメラを寄せやすいようにちょっとだけ体を反らし、竿の真ん中らへんを少し押さえて改めて狙いを定めた。
モニターをガン見してたはずのジュディさんが俺の方を見てニッと笑う。
俺はその結合部に向いてるレンズを意識しながらゆっくりと腰を進めた。
なんぼ拡張してても、どれだけ指で丁寧に拓いても、やっぱり挿入の瞬間には違和感とか圧迫感が伴う。
ローションのおかげで俺の方には痛みもなんもなかったけど、武蔵のチンコはさっきまでが嘘みたいに一瞬で縮み上がってもうてた。
中の抵抗が強なったら動くんを止めて様子を見て、無駄な力が抜けてきた所でまたゆっくり奥を目指す。
撮れ高が十分てとこなんか、俺がゆったり大きく腰を動かしだしたところでそっとジュディさんはベッドから離れていった。
「大丈夫? 苦しない?」
一番奥までグンと突き上げ、そのまま体を倒して武蔵の体を抱き締める。
俺がそんなんすると思うてなかったんか、ちょっとだけ戸惑ったみたいな顔を見せる武蔵。
膝を抱えてた手を離させると、困ったみたいに宙をさ迷ってたその手がようやく俺の背中に回された。
「これやと撮影向きやないかわかれへんけど、ちゃんとエッチさせて?」
「......エエよ、やりたいようにやって。ビデオ用のイヤらしいエッチは、このあとの俺に任してくれたらええから」
見せる為には体を起こし、ひたすら激しく腰を打ち付ける方がええんやろうと思う。
時にはアクロバティックに体位を変えたりしたりも必要なんやろう。
せえけど、まだ今の俺には『見せつつ相手を感じさせる』なんてセックスは無理や。
勉強不足にもほどがある。
プロとしてのセックスはこれからもっと勉強させてもらうとして、今俺にできる『感じさせるセックス』をするしかない。
素直に『まだプロの仕事はできへん』という気持ちを伝えた俺に、武蔵はただ優しい顔で笑い、背中に回ってた腕にギュウと力を入れてくれた。
半端な姿勢で開かれてた脚も、俺の腰に絡み付いてくる。
「もう苦しないで、動いてかめへん。んで、まだこの後があるから、今無理に俺をイカせようとせんで大丈夫やからな。アスカのできる、アスカのしたいセックスして」
「うん、ありがとう。そしたらちょっと動くわ」
真っ直ぐに武蔵を見つめ、そっと唇を合わせる。
同時に、腰を強く押し付けたままで中をクイックイッと抉るみたいに動かした。
そのたびに武蔵の鼻からクン、クンて甘えるみたいな息が漏れてくる。
ああ...こんな体温をちゃんと感じるセックスしたんていつ以来やったっけ。
激しさは無いかもしれんけど、腕の中の人間の体温が上がっていくのを感じられるから、こうして抱き合いながら繋がってんのはメッチャ好きや。
まだ体の準備が整う前からむやみやたらと肌をぶつけるわけやないから、ネコ側の負担も案外少なくて済む。
舌を絡め合ってるうちに武蔵の目許がほんのり色付いてきて......
トクトクって鼓動が早なってきて......
俺の体に押し潰されて擦られ続けてたチンコもちょっとずつ息を吹き返してきた。
「ちょっとは気持ちようなってくれてんねや?」
唇を離し、フワフワと髪を撫でてやると、武蔵は絡めた脚を解いてフフッて笑った。
「ちょっとちゃうかも。こんな優しいエッチされたん初めてで、俺勘違いしてまいそう......」
「そう? ぼちぼち本格的に動くで?」
俺の言葉に、黙ったまま武蔵は絡めていた脚を解く。
背中に回された手は、またゆっくり自分の膝を掴まえた。
「エエよ、きて......」
体を起こし、膝に添えられた武蔵の手に俺の手を重ねる。
さっきまでしょぼくれてたチンコは、邪魔やった俺の体が無くなった事でピンと天を向いた。
この後があるから、武蔵をイカせる必要は無いと言われた。
ならば俺はただ神経を自分のチンコに集中させて、できるだけ中を気持ちよくする事だけを考えればいい。
自分のチンコの形や角度、そして武蔵の中に指を入れた時の事をしっかりと思い出す。
膝をグイと押し少し腰が浮くほど体を折り曲げた所でチンコをずるりと引き出し、それを一気に奥まで叩きつけた。
「ヒッ......アーーッ、アァッ......」
奥を拓けば息を詰めて体が強ばり、ズルリと抜け落ちるギリギリまで腰を引けば悲鳴のような声が上がる。
パンパンと肌同士のぶつかる乾いた音と、泡立ってブチュブチュとアナルからローションの溢れる湿った音。
徐々に腰の動きを早くしていく。
俺の動きに合わせるように、触れてもいないチンコの先からはトロトロと蜜が溢れだし、気づけばまたジュディさんのハンディカムがすぐそばでそれをしっかりカメラで捉えていた。
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