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悋気は恋慕に火を灯す【10】

上がった息を整えながら、最後の一滴までも絞り出すみたいに、グッグッと数度緩く中を突き上げる。 しっかりと膝を押さえてたはずの武蔵の手はいつの間にか俺の二の腕を掴んでて、そこにはなんかうっすらと爪の痕とか付いてた。 それが芝居やなくほんまに感じてくれた証みたいでちょっと嬉しい。 「もう抜いてもエエ?」 「ん、大丈夫......」 あんまり武蔵の体を刺激せんように気をつけながら、すっかり力を無くした俺のチンコをそっと中から抜いていく。 まあ、中イキどころか射精もしてないんやからそこまで気を遣わなあかんことは無いやろうけど、それでも結構な強さで内襞を擦り続けたのには違いない。 ちょっと気になって、ケツを左右に軽く開いてみた。 頑張って俺のんを受け入れてくれてたとこはパクパクと呼吸に合わせて収縮してて、ちょっと粘膜が捲れてる感じがめっちゃエロい。 そこに一回チュッてキスすると、まだなんとなく顔を赤くしてる武蔵の目を見つめる。 「なあなあ、これってすぐ捨ててもエエもん?」 「あ、せっかくやし、いっぱい出たのん見てもらおうか」 「やっぱりか!? うわ、聞かな良かった...ほんまにわざわざ見せんのん?」 ベッドにへたり込んで大股開いてた俺の股間に武蔵の手が伸びてきて、まだ外してなかったコンドームをピチッと引っ張ってきた。 もう出すもんも一応出して抵抗する元気も無いチンコは、いともあっさりとそれを手放す。 ベッドそばでその一部始終をカメラに収めてたジュディさんの方に、武蔵はそれをプラ~ンとぶら下げた。 「これ見てよ。すごない? 初めての撮影でガッツリ射精してんねんで?」 「ちょっ、やめろやぁ...それ、なんかチンコ見られるより恥ずかしいって」 「いやいや、恥ずかしがらんでも。立派なもんやん。最初の撮影ってさ、射精どころか挿入も勃起もできへん子もいてんのに」 武蔵の言葉通り、カメラにしっかり映されてるであろうシナシナのコンドームの先端には、俺が吐き出したミルクがしっかりたっぷり溜まってた。 まあね...実際気持ち良かったし。 途中からはビデオがどうとか関係無しに普通に抱かせてもうて、武蔵もそれを受け入れてくれた。 勿論、武蔵がちゃんと『抱かれる』って雰囲気と表情を作ってくれたんが大きかったと思う。 男として、とびっきりの男前を抱いてるんやって優越感と満足感もめっちゃ与えてくれた。 そういう仕事なんやって言われたら、それはまあそれだけなんやけど。 でも、武蔵みたいな男がこれからも相手してくれるんなら、たぶん俺ももっとイヤらしいになれると思う。 いや、ならなあかんねん。 ここに俺の新しい居場所を作る為に。 「オッケーオッケー、攻守逆転する前にちょっと休憩しよか?」 いつまでも俺の残骸入りコンドームを振り回してる武蔵の肩を、大原さんがポンと叩いた。 「アスカもお疲れさん。この後ネコ撮影になるけど、大丈夫?」 「大丈夫って...なんで? 別に普通にセックスするだけやろ? 一回射精しただけやし、特に問題は無いけど......」 「体力的にどんな感じかなぁと思うて。あんまりきついようなら、武蔵にちょっと加減してもらわなあかんから」 加減て何? そんな加減て必要かぁ!? 言葉の意味を計りかねて武蔵の方を向いた。 その武蔵は大原さんに渡されたスポーツドリンクを飲みながら俺と目が合うと、なんか悪そ~な顔でニヤッと笑う。 「その笑顔の意味は?」 「ん~? 別に~。たださ、さっきしてる最中に言うたやんなぁ、『ビデオ用のイヤらしいエッチは、このあとの俺に任せろ』って」 「うん、それは聞いたけど......」 「見せるセックスを知りたいんやろ?」 「ああ、うん。俺の体でも勿論知りたいけど、まずは今度ゲイビ見て他の人のんも勉強しようかと......」 「とりあえず、今から俺が全力で教えたるって」 そう自信満々に言い切る武蔵の頭を大原さんが思いっきり叩いた。 「アホか! 最初っから飛ばすな。今日は正常位から騎乗位、最後はバックで背中に出して終わり!」 「そうなん!? やだ、あっさり。俺、アスカとやったらフルコースで抜かずの3発とかでもいけそうなんやけどな~」 「俺らまだアスカの体力もわかってへんし、いきなり無理はさせられへんやろ。もしお前とアスカの相性が良かったらこれからも共演の機会はあるんやし、本気はそれまで置いとけよ」 ......どうやら俺好みの可愛いネコちゃんやと思ってた武蔵の本性は、相当な野獣らしい。 しかし、今までにも『絶倫』て呼べる男に当たった事もあるにはあるけど...大原さんにストップかけられるレベルとか、どんだけやねん? でもまあ...それはそれで面白い。 俺かてさっきの一回だけの射精が俺の実力でも本性でもない。 ノンケ相手やからってそれなりに手加減したつもりやし。 これからもか...そう、また武蔵と共演の機会を作ってくれるんなら、次はもうちょいヒーヒー言わせられるはず。 そんな事を考えてた俺の肩をトントンと武蔵が叩いてきた。 うん?とそちらを向いた瞬間...... 首をいきなり引き寄せられ、ブチューッとふざけて押し付けるみたいなキスをされる。 ただふざけてるだけやと思ったのにちょっとずつそのキスは深くなり、舌で唇をチロチロとなぞられた。 ゾクゾクっとした感じが背中を走って、落ち着いてたはずの場所にチリッと火が灯る。 ...うっわ、こいつ...チューもやっぱり上手いかも...... 不意打ちに何もできへん俺を楽しむみたいにもう一回チュッて強めに唇を吸うと、コツンとデコをくっ付けてきた。 「俺な、アスカの事気に入ってん。せえから、誰と共演しても『武蔵やなかったらやる気起きへん』て思うくらい、今からめっちゃ気持ちようするから」 「えらい自信家やなぁ」 「自信があるわけやないって。それくらいお前と一緒に仕事したいって思っただけ。俺以外の奴とコンビになんかさせへんから」 「それ決めるんはさ、俺ちゃうやん? 大原さんに言うたらええんちゃうの?」 「大原さんは、アスカの一番エエ顔引き出せた奴とコンビにするに決まってるやん。せえから俺、今からアスカを最高にエロい姿でよがらせるから」 もしほんまに武蔵とコンビで仕事できるんやったら、俺たぶん頑張れる気がする。 ここで頑張ったら、ここがちゃんと俺の居場所になる。 武蔵に撮影のノウハウも、見せて感じさせるセックスも教えてもらえたら...きっと...... 「エエよ、めっちゃ気持ちようして。誰が見てもチンコビンビンになりそうなくらい、俺にイヤらしい顔させてぇや」 デコだけやなく、ゆっくりと鼻の頭を擦り合わせて体ごと武蔵の方へと預けていく。 その首に腕を絡める頃には、大原さんは俺達から離れてまたカメラを肩に乗せていた。

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