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悋気は恋慕に火を灯す【11】
乳首をガジガジかじりながら、武蔵の指は俺の中を丁寧に拓いていく。
時々グイと奥まで突っ込んで、ゆっくりと入り口スレスレまで引き抜いてはそこら辺をグリグリされると、気持ちがエエやらもどかしいやらで腰が勝手に揺れだした。
なんやもうその温さが絶妙っていうかムカつくって言うか......
もっとガツガツ来るんかと思うてた。
荒々しく求めて拓いて突っ込むんかって。
けど、乳首は痛いくらい噛んで吸って引っ張ってってしてんのに、穴の中を弄る動きはものすごい優しい。
俺を気遣ってそ~っとしてるとかやなしに、もう明らかに焦らしてるとしか思えんくらい無駄に優しい。
奥の方までグイグイ触ってくれてエエし、いや寧ろ触れよとか思ってちょっと腰を揺らしてみるけど、武蔵はそんなんお構い無し。
ひたすら乳首をガジガジするばっかりで指は入り口から前立腺近くまでをクニクニ刺激するだけや。
なんやちょっと乳首が妙に熱うなってきてジンジンするけど、まさか乳首いじめられてるだけで喘ぐとか異様に恥ずかしいて、俺は唇をギュッと噛んだ。
武蔵は俺の中から指を抜き、チンコの裏側を上に下にその指でなぞり、ようやく乳首から口を離す。
舐め回されてベタベタになってたそこは、空気に触れてひんやりしてんのにやけに熱い。
ようやく乳首に飽きたんか、今度は舌を胸の間から鎖骨、首筋から耳朶へと、やっぱりしつこいくらいに這わせてきた。
「声、ちゃんと出さな」
耳朶を唇で挟みチューとそこを吸い、舌を耳の孔に捩じ込んでくる。
その舌と同時に、吐息に混ざって微かな声が耳孔を擽った。
「声はな、プライベートのセックスの3割増くらい大きめに派手に出して。『気持ちいい』でも『痛いっ』でもええし、『もっとぉ』でも『やめて』でも、とりあえず目一杯な。せえけど、反応自体は大袈裟にせんでええから。どうせ男なんて気持ちエエかどうかは体見たらわかんねん。わざわざ意識して反応する必要は無い。演じようとしてもどうせわざとらしなるばっかりで、いっこもエッチな事ないから」
「そんなん...声出すんもわざとらしなったら......」
「せえから、そこは演技するわけちゃう。ただ素直に感じたままを声に出したらええねん。触って欲しい? 苛めて欲しい? 優しいして欲しいでも激しいして欲しいでも、何でもちゃんと声に出さなあかんねんで」
カメラに映る限り、武蔵はマイクで拾えないほどの小声で俺に愛を囁いてるみたいに見えるんやろう。
それくらい耳に与えられる愛撫は優しくて温かで、その声もひたすらに甘かった。
せえけどその言葉は、俺が忘れかけてたモンをパッと甦らせる。
初めてセックスした日にも、その次の時にも、その次の次の時にも...俺がユーキくんに抱かれる度に言われた言葉。
『俺らの仕事はね、言葉に出すのが恥ずかしいからって黙ってちゃダメなんだよ。『抱きたい、可愛がってやりたい』って思ってるお客様が相手の時は特にね。気持ち良ければ気持ちいいって、もっとして欲しいって言わないと。でも嘘はダメ。感じてるフリなんてすぐにバレるんだからね。ただ、気持ちいいって声に出して伝えてあげる事は相手の興奮を高める事にもなるし、『それは嫌だ』ってちゃんと言うのは自分の体を守る為にも大切な事だから。だからほら...今俺にどうして欲しいのか、ちゃんとイヤらしくおねだりしてごらん?』
ああ、今武蔵が言ってるのは、あの時のユーキくんの言葉と同じ事だ。
ちゃんと声を出して自分は感じてるんだと表現する事でお客様は興奮する。
嘘はつかず、羞恥心もプライドも捨てて、ただ素直に感じてる姿を見せなあかん。
ここしばらくは、感じてなかろうが本気で嫌がってようがお構いなしの客に抱かれたり、『嘘でもええから少しはよがれよ』なんて悪態をつくような一回限りの男に当たったりしてたせいか、本気で感じるって事を忘れてた。
せえけど、今日からはちゃうんや......
俺も気持ちエエってちゃんも思ってええんや......
相変わらず耳を舐め続けてる武蔵の頭をかき抱き、その耳を舐め返す。
ただなぞってるだけの指先を俺のチンコごと握って、自分でそこをグイグイ扱いた。
「なあ、もっとチンチン、ゴシゴシして。乳首もギュッて噛んでぇ」
「何? 噛まれたいん?」
「んっ、噛まれたい...痛いくらい噛んで、チューチューして......」
「こう?」
ゆっくりと武蔵の頭が下へと下り、乳首にガリッと前歯が立てられる。
痛い...せえけどなんかジンジンして熱うて...チンコもケツもムズムズが止まれへん。
また乳輪ごと乳首をしゃぶりながら、ようやく武蔵の手がチンコを大きく扱きだした。
「アスカ、やらしいなぁ。俺、なんもしてへんうちからチンポから汁ダラダラやったで」
「あっ...あぅん...わかってる、わかってるん...はあん...ヌルヌル、気持ちエエ......」
「もうピンピンやな」
素直に言葉に出せば出しただけ、自分の中の欲が溢れてくる。
自分の吐いた言葉に、間違いなく煽られてた。
どこまでいける?
どこまでイヤらしいになれる?
俺の姿に...武蔵は興奮してくれてる?
「ピンピンやねん、あんまり...っあぁ...シコシコせんとって...アカンの...イッてまうん......」
「先にこのピンピンのん、イカせたろか?」
「イヤやぁ...あっ...ああん...お、お願いやからぁ...武蔵のん...入れて...入れてっ...はぅん...武蔵のチンチンで俺の中...グチャグチャに...グチャグチャにしてぇ......」
胸元からユラと武蔵が顔を上げる。
あ...なんや...もう目付きちゃうやん。
その目は発情したオスそのもの。
俺に煽られてくれてるんが嬉しい。
「アスカがあんまりおねだり上手やから、俺ももう我慢できへんわ。ほら、ケツの中グッチャグチャにかき回したるから、自分でそこ開いて見せてみ?」
見下ろす武蔵の喉仏が大きく上下する。
俺は素直に膝を抱え上げると、自分の手でケツを左右に力一杯開いた。
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