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小悪魔モンモン【4】
手の中の鎖を無理に引くような事はしない。
ただその先を握りしめたまま、ゆっくりと寝室へと足を踏み入れる。
俺と同じ速度で着いてくる慎吾さんと俺を繋ぐ鎖は、ゆるくたわんだままだった。
「もう...準備はできてるんですか?」
ベッドに腰を下ろしながら静かに尋ねる。
慎吾さんは俺の足元に跪き、真っ直ぐに俺を見ながら黙って頷いた。
白い体にほどよく付いた筋肉。
黒々とした下生えの中心には、すでに勃ち上がった自身がしっとりと濡れて艶を帯びている。
身に付けているのは、太い皮の首輪だけ。
手にした鎖を思いきり引けばすぐにでも呼吸に支障をきたしそうなくらい、それはギリギリいっぱいにまで締め付けられていた。
「じゃあ、お揃いのブレスレットもしてあげましょうね......」
ずいぶんと以前の撮影で使い、半ば強引に『プレゼントだ』と押し付けられた物を思い出し、クローゼットを開くと俺専用の衣装ケースを静かに引っ張り出した。
別にわざわざ持ってきたわけじゃない。
そもそもうちにこんな物があったことすら記憶になく、元々少なかった自分の持ち物をすべてカバンに詰め込んだ時に紛れていただけの話だ。
まさかこんな物を使うことになるだなんて......
俺は中から、首の物と同じように皮でできた手枷を取り出す。
もっともその撮影の時には俺の方が付けられる立場で、これを誰かに付けてやるなんてのは今日が初めてだったけど。
「どうしましょう...これ、付けますか? 付けませんか?」
慎吾さんは答えない。
けれど俺を見る目がやけにキラキラとしていて、その目こそが質問の答えだった。
「後ろ向いてください」
「はい......」
俺にただ従わされているのが恥ずかしいのか、それとも昂る体が熱を上げているのか、白い体全体をほんのり赤くしながら素直に俺に背中を向ける。
男性の物にしては丸い尻が、キュンとえくぼを作った。
「緊張してますか?」
「......してへん...」
「そうですか...俺はすごく緊張してます。さ、手を後ろに」
背中側に回ってきた両手首を、その皮ベルトで一つに纏めてしまう。
本当ならこの肌に傷を付ける事のないよう、タオルか何かを併せて巻き付ければ良いのだけど、残念ながら今の俺にそれを提案してやれるほどの余裕は無い。
ただそれを強く締め過ぎないように意識するだけで精一杯だった。
「できましたよ...すごく素敵です。これでもう、慎吾さんを生かすのも殺すのも...俺次第になっちゃいましたね」
一度だけ鎖をクイと引く。
バランスが取りにくいのか、少しヨタッとしながら慎吾さんは俺の方に体を向き直した。
俺は改めてベッドに腰を下ろす。
「ああ、慎吾さんをいっぱい可愛がってあげたいのに、俺はまだズボンも脱いでないですね。さて...これからどうしましょうか?」
目の前でシャツを脱ぎ、それをポンと床に投げ捨てた。
デニムのホックだけを外し少し大きめに脚を開くと、慎吾さんの目を見ながら『ん?』ととぼけるように首を傾げる。
ゴクリと慎吾さんの喉が大きく上下した。
床に着いた膝で不自由そうににじり寄ってくると、俺の脚の間から少し心細げに見上げてくる。
「どうしました? 嫌ですか?」
「嫌ちゃう...ただ、こんなんで興奮してる俺なんか、ほんまは航生くん迷惑なんちゃうかと...思って......」
「迷惑...ですか? それは、続きをしてみたらわかりますよ。でしょ?」
そう言えば、意を決したように慎吾さんの顔が俺の股間へと近づいてくる。
ホックを外しただけのそこに向けて舌を伸ばすと、それを器用に使いジッパーの金具を咥えた。
前歯でそれをしっかりと噛みながら、ジジジッとゆっくり下ろしていく。
すぐに下のボクサーパンツの前開き部分が露になった。
外気に触れたそこは少しひんやりと感じる。
きっともう、湿り気を帯びて色が変わっているんだろう。
じっとそこを見つめたままで動かない慎吾さんの様子が少し気になる。
「俺、引いてるように見えますか?」
「......見えへん...」
「でしょ? ずいぶんと興奮してるんじゃないかと自分では思ってるんですけど...俺の、どうなってます?」
少しだけ腰を揺らし、すぐ近くまで寄っている慎吾さんの頬にそこを押し付けた。
「ねえ...俺の、どんなんなってます?」
「......勃ってる...カチカチや...」
突き出したそこに頬擦りしながら、慎吾さんはうっとりと俺を見上げた。
たったそれだけの事にこんなにも喜び、興奮してくれる慎吾さんが愛しくて仕方ない。
俺は声に出さず、唇だけを『どうぞ』と動かし、そっと柔らかい髪を撫でる。
それを合図に、慎吾さんは堪らないとでも言うように下着ごと俺のぺニスを口の中に押し込んだ。
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