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フィクションの中のノンフィクション【35】
航生くんが手に取ったんは、ポンプタイプのミニボトル。
中にはオイルタイプで結構サラサラのローションが入ってる。
ビデオの撮影の時なんかやったら、ドロドロッと垂れて身体中ヌルヌルのテカテカになるし、ピストンで泡立ってコポコポ溢れてくる感じが特にイヤらしい見えるから、ゲル状で粘りけの強いローションを使う事が多い。
せえけど自分らの家でセックスするってなると、あのヌルヌルはやっぱり部屋のあっちこっちが汚れたりもするし、終わってから風呂入ってもなかなか落ちへん時もあって、なんやかんやでめんどくさかったりする。
その点このオイルタイプなら多少使いすぎてもタオルで拭うだけでだいたいは綺麗にできるし、セックスの最中に慌てて手ぇ拭いたりせんでもパリパリとかカピカピになったりせえへん。
特にたまたま見つけたこのローションはグレープフルーツみたいな柑橘系の香りが付いてて、イヤらしいのに爽やかな気持ちになれるのがいい。
入れられる事にも入れる事にもすっかり慣れてる俺らにはこのオイル程度の潤いがあれば十分で、最近はずっとこのオイルを使ってる。
ポンプを何回かプッシュした航生くんは、まだちょっと冷たいオイルをケツの割れ目から袋の裏側まで、たっぷりと塗りつけた。
竿の方まで塗れへんのは、もうその必要が無いから。
竿の先端からは、体勢を変えたところで一向に止まる気配の無い先走りが細い糸になってゆっくりと滴ってた。
「また痛かったら言ってくださいね?」
こちらもたっぷりとオイルを纏わせてるらしい航生くんの指が中心をクルクルと擽り、その腹でトントンとノックする。
「痛い事なんか...せえへんくせに」
高く上げたケツを、わざとらしくフルフルって揺らす。
「いっつもじれったいくらい丁寧やんかぁ。俺は痛いくらいでもええのに...ほら、俺のお尻、もう我慢できへんて言うてるやろ?」
「痛くしたくないんですもん。こんな綺麗な体に傷なんてつけたくないじゃないですか」
よう言うわ。
鎖骨んとこにめっちゃ濃いキスマーク付けたばっかりのくせに。
全身キスマークだらけにしたるとか言うたくせに。
興奮してきたらわざと俺の背中に爪の痕残すし、血ぃ出そうなくらい乳首噛むくせに。
もう体も意識もチンチンもケツも、全部が限界やって言うてんのに...無理矢理奥を突き上げて何回でも鬼みたいにイカせまくるくせに......
アカン、それを想像するだけで奥の奥までムズムズする......
「んもう、航生くん...早よしてくれな、航生くん押し倒して勝手に跨がるで?」
「あ、それはそれでたまにはいいんですけどね...今日はさすがに遠慮しときましょうか」
クスッて笑う気配と同時に、ただ周りを撫でてただけの指がグググッて入ってきた。
本心から欲しがってるからかそれとも上手に力が抜けてるんか、ほんまに痛くも苦しくもない。
もっともあんまり欲しがりすぎてると、指すら逃がすまいとしてしまうみたいでかえって余計な力が入る事もあるから、今は欲しい気持ちと受け入れたい気持ちのバランスが取れてるんやろう。
そのまま指が奥まで進み、手のひらが袋の裏側に当たった。
もうすっかり根元まで入ったらしい。
航生くんは袋に手のひらを押し付けたまま、入り口を指の根元でゆっくりと円を描くようにしながら広げていく。
指が動くたびに袋もやんわり揉まれるみたいな感じで...そこもズンて重うに、硬うになってきた。
次の指が...次の刺激が欲しい......
肩と首で体重を支えながら手を後ろへと伸ばし、自分でケツを目一杯割り開く。
チラリと目線だけを後ろに遣れば、航生くんは小さく頷いて優しい顔で笑ってくれた。
もう無理して言葉でおねだりはせんでもええらしい。
うん、俺頑張っていっぱいおねだりしたし。
航生くんも結構我慢の限界が近いんも見てたらわかるし。
ちゃんとまだヌルヌルはしてるはずやのにもう一回ポンプを右手に向けてプッシュする航生くん。
俺はケツから手を離すと、自分でチンチンを握った。
ユルって動かしては根元を締め付け、また先の方をユルユルって擦る。
次の指が蕾に触れた。
一旦扱くんを止めて、俺は袋ごと根元をキュッて締める。
ズブズブって2本目の指が入ってきて、ほとんど間も置かんと3本目も入ってきた。
さすがに粘膜と皮膚が引きつり、手の中に収めてたチンチンがちょっとだけ萎む。
それでも、もうすぐもっと大きく熱く硬いモンを受け入れられるんやって思ったら、俺は中に留まったままで動けへん航生くんの指を無意識に締め付け始めてた。
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