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フィクションの中のノンフィクション【41】

航生くんのんが、ゆっくりグググーッて奥へ奥へと進んでくる。 一気にガツガツしたいやろうに、相変わらず優しいに、ちょっとずつ丁寧に。 俺の中が、どんどん航生くんの形に変わっていく。 隙間がどんどん無くなっていく。 俺と航生くんが...一つになっていく...... 左肘で体を支えながら右手で髪を優しく梳き、その手でそっと頬に触れてきた。 しっかり合わさった唇の間から熱い舌が滑り込んでくる。 航生くんの首に腕を絡め、その頭をもっと俺の方に引き寄せた。 肘の支えを解き、航生くんは俺に遠慮なしに体重をかけてくれる。 この重みすら嬉しい。 ケツの周りにフワフワって航生くんの毛と腿の感触。 苦しいと感じそうなほどに中を押し上げられ、これ以上は進まれへんて所まで航生くんのが入ったんやって...航生くんのが全部入ったんやって実感する。 ああ...辛いのに...めっちゃ幸せ...... ちょっと名残惜しそうに上唇を強めにジュッて吸うと、航生くんが少しだけ顔を起こした。 そのまま優しいて、せえけどめっちゃイヤらしい目でじぃって俺を見つめる。 「重くない?」 「うん、幸せ......」 「ふふっ、それって質問の答えになってないし」 「全部...入ってるんやろ?」 「入ってますよ...俺の全部、慎吾さんの中に...わかる?」 「ああ...わかる...わかってんねん...ここがなんか...熱うてジンジンしてるみたい......」 俺と航生くんの間に手を差し入れて、そっと臍の下ら辺を撫でてみた。 直接触れるわけやないし、勿論そこの形が変わってるわけでもないんやけど、なんかその手を置いたところから航生くんを感じられるような気がする。 「航生くんのん...いてる...ほら、幸せ......」 「俺もね、慎吾さんの中にこうしていられる時がほんとに幸せ...慎吾さんが俺を包み込んでるって思える事が幸せ」 その『幸せ』って言うた時の航生くんの顔がほんまに色っぽうて、『幸せ』って言うた時の声がほんまにセクシーな俺の大好きな声で、意識もしてへんのにキュンてケツに力が入る。 いや、受け入れてる場所っていうか、俺の中全部がキュンキュン好き勝手に航生くんのを締め付け始めた。 俺を見つめる航生くんの眉間にちょっと皺が入って、ああ...感じてくれてんねんなぁって、また幸せになる。 「慎吾さん...そんなに締められると、俺あんまりもたないよ?」 「そんなん言われても...体が勝手に悦んでまうんやもん。それに、もてへんかっても、もう一回したらええだけちゃうん?」 「もう一回なんて言ってたら、アリさんに後ろからしばかれそうな気がする。何よりね...このまま慎吾さんの中にずっといたいから、できるだけ出したくないの。出したらゴム替えなきゃいけないでしょ?」 ちょっとずつ言葉遣いが変わってくる航生くん。 それにまためっちゃキュンてなった。 最近の航生くんは時々こんな事がある。 興奮し過ぎてだんだんと自分が抑えられへんようになってきた証拠。 オスの本能と征服欲と独占欲を俺にぶつける前兆。 普段の航生くんも勿論好きやけど、俺に対してだけ荒々しいになる航生くんはもっと好き。 いや、どんな航生くんでもやっぱり好き。 「動いていい?」 「そんなん、今更ちゃう?」 うっとり見上げる俺にニッて白い歯を見せると、航生くんはまたユラ~って体を起こした。 ほんまはまだピッタリくっついてたいけど、でもやっぱりガツガツ俺を欲しがる航生くんを感じたいんも本心。 思わず離れていく体に手を伸ばしかけて、慌てて自分の膝を抱えた。 「いいよ、持ってなくて。ちゃんと俺が、閉じる事も逃げる事もできないように掴んでるし。慎吾さんは自分の乳首でも弄って遊んでて」 「んもう、乳首ばっかり言うなぁ」 「だって、慎吾さんの乳首可愛いもん。ほら、今もツンて尖ってて美味しそうだし」 ほんまにみっちゃんに毒されたようなオッサン臭い事を言いながら、航生くんは遠慮もせんと俺の足首をしっかり掴んでガバッて左右に開く。 そろそろっと腰を引かれ、そこをピッチリと締め付けてた俺の粘膜が合わせてズルズルって引きずり出されるような感覚にゾゾゾッて悪寒が走った。 足を閉じようとしても、切羽詰まって顔をしかめてるくせに口許だけはイヤらしいに笑ったままの航生くんの指に力が入ってピクリとも動けへん。 いつまで続くねんて思うくらいゆっくりゆっくり航生くんのチンチンが引き出され、それでも全部が抜け落ちる前に止まる。 強い圧迫を感じる場所が変わり、航生くんのんてほんまにカリがでかいねんなぁて変なとこで感動してもうた。 その留まった所で何回かユルユルと腰を動かすと、さっきまでとはまた全然違う熱が生まれる。 それは快感というよりも...もどかしさ? 苦しいくらいに内臓を押し上げられる快感が欲しくて、早く奥に戻って来いとケツに必死に力を込めた。 航生くんは掴んだ足を強く引き上げるように俺の腰を軽く浮かせ、その下に自分の膝を差し入れてきた。 「お待たせ......」 一回フゥって息を吐いたと思うたら、航生くんは一番奥やないとこに向かってガツンて腰を打ち付けてきた。 下腹の...俺がさっき無意識に撫でてた辺りのちょうど裏側辺り。 航生くんの硬くて大きい亀ちゃんが、俺の一番敏感な場所をまともに突き上げ激しく擦り始める。 トプンて溢れて伝わる先走りを感じながら、俺は航生くんの言いつけを守るようにキュッて乳首を摘まみ捻っていた。

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