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二人の弱いとこ(1)

「……ん、んぁっ……!」  それまでも控えめなよがり声を上げていたアヤがより一層大きな嬌声を上げた。体中攻め回していたリョウが顔を上げる。 「あれ? アヤ、もしかして」  もう一度、さっき声が上がった辺りに口をつけ、触れるか触れないかの強さで唇を這わせると、また上ずった余裕のない声が漏れた。 「アヤ、こんなとこ、ええんや」  リョウがニタァと笑う。こんなとこ、とは膝の裏。これまでこんなところを愛撫したことがなく、今この時、新たな発見をした。リョウはもちろん、アヤ自身だって。  やわやわと食んでみたり、かと思えば急にきつく吸い上げたりすると、アヤの体がびくびくと震えたり跳ねたり忙しい。自分から出る声が羞恥に耐えられず、枕を顔に押し当ててしまった。 「もっと声聴かしてえな」 「うるさい」  枕をどかそうとしたら、枕が飛んできた。 「そもそも何でリョウが攻めてるんだよ。今日は俺だろ」 「チッ」  憶えていたか、このままの流れでいけると思ったのに、とリョウは舌打ち。そんな間にもぐるりと視界が反転し、上下逆転の体勢に持ち込まれた。  両者の下半身、の特に中心部はもう既に熱く熟れており、痛いぐらいに張り詰め、今にもはち切れそうだ。なのにアヤは仕返しとばかりにリョウのあちこちを舐め始めた。 「ちょ、もうええやん、早よちょうだい……」  下になる覚悟が出来るが早いか、早速お強請りするリョウ。それを聞き入れることなく、アヤは探す。自分だけが弱いところを見つけられてしまって悔しい。リョウにもどこか、あるはすだ。二人にまだ知らない、弱いところが。  だがいくらあちこち指を舌を這い回してみても、なかなか見つからないし、リョウは焦れすぎて少々不満気味になってきたし、アヤにも焦りが生じてきた。半ば自棄になって脚の付け根、鼠径部をじゅっ、と吸ったら 「あんっ!」  リョウから、犬がわんと鳴くような大きな声が出た。そうかここなのかと執拗に責め立てると、なんだか様子がおかしい。 「ちょ、やめっ……あひゃひゃひゃ! こしょば!」  ……なんだ。  アヤは急速に冷めたが、リョウが笑うたび腹が収縮するのを見て、あることを思いついた。 「そろそろ、入れるね」  ぐい、と肉をかき分け突き進めば、少しだけリョウの腰が上へと逃げる。律動がスムーズになったころ、そこらへんの元が何だかわからない汁を指に塗りたくり、再び鼠径部に這わせる。 「ひゃんっ」  また、犬がキャンと鳴くような声が飛び出した。予想通り、とても締まる。アヤはリョウに見えないように少し笑った。  奥を打ちつけながら鼠径部をいやらしく撫でさすられ、リョウは何が何だかわからない。くすぐったさと快感、どちらに身を委ねればいいのか、どちらにも身を委ねられなくて、どうになかってしまいそうだ。涙が出るほど笑っているけれど楽しいからではない。もっと感じたいのに、余計な感覚が邪魔をする。 「アヤ、も、やめて、息できひ、っ」  いつもより締まりが良すぎて、らしくもなくアヤは早くも絶頂の兆しを感じたが、こんなに早く終わってしまってはもったいない。一度果てたらもうこのプレイは絶対にさせてくれないだろう。そう思って、しばし中断してはまたくすぐりピストンを再開、そしてまた少し休んで……を繰り返した。

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