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第4話

溶け合った2人は浴室へ移動し、ナオの内側に溜まった精液を掻き出す。 もちろんその作業は幸太郎が引き受けるのだが、正直堪えるのが辛い。 何と言ってもナオの臀部から出て来るのは幸太郎の精液で、指で掻き出す度に更に後孔が解れてくるように感じるのだ。 とはいえあまりナオに負担をかけてもいけないと、とりあえずは我慢するのだが、大抵の場合ナオに見付かってしまい、2ラウンド目を風呂場ですることになる。 「幸太郎、シよ?」 こうなったナオは、立派な小悪魔だ。 童顔であることを逆手に取って、上目遣いで幸太郎を見つめるその仕草に、耐えられる訳がない。 「お前、大丈夫なんだろうな?」 「もう慣れたよ。それに、幸太郎の、またおっきくなってるし」 幸太郎はナオを浴室の壁に向かって立たせると、腰を引いて臀部をこちらへ突き出す格好にさせて、再度突き上げ始めた。 お湯でふやけて後孔が柔らかくなっているせいか、さっきよりも深く挿入できている気がする。 「ん、あぁん……んぅッ……」 浴室で聞くナオの声も、寝室で聞くトーンと違っていてなかなかにエロい。 シャワーの音に淫汁が混じる音が聞こえ、耳が犯されている気分になる。 ナオにとって、事後処理の後のセックスは格段に気持ちのイイものだった。 ベッドの上でドロドロに溶かされたのに、場所が変わるとまた欲しくなって、自ら腰を振ってしまう。 俺、幸太郎にちゃんと告白してないのにね──。 分かっている。 幸太郎がナオの口から「好き」だとか「愛してる」という言葉を紡いで欲しいと願っていることを。 分かっている。 幸太郎がセックスに夢中になると、駆け引きなしで「愛してる」と言ってくれていることを。 同じ言葉を返したら、彼はどういう顔をするのだろう。 嬉しいと思ってくれるのか、それともうざったいと思うようになるのか。 幸太郎が元々ノーマルだったことを考えると、元々ゲイであるナオとしては、どうしても負い目を感じてしまう。 好かれていいのか、愛されていいのか、本当に分からなくなる。 セックスは嫌いじゃないから求めたり求められたりしているが、ナオが「愛してる」とも「好き」とも言わなければ、ただの男同士の戯れとして片付けられるだろう。 だから幸太郎が欲しがる言葉を返してやれない。 自分の中で幸太郎をゲイの道に引きずり込んだという事実を懐柔できるまで、絶対に彼の愛の囁きには応じられない──、そんな想いを秘めているのだった。

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