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第33話

それから数日後──。 意外なことに幸太郎がゲイである件は、社内には伝わっていなかった。 てっきり夏美にバラされるものだと覚悟を決めていただけに、肩透かしを食らった気分だ。 「ナオ……お前、休み取れそうか?」 華奢な身体のあちこちにキスマークを付けながら、幸太郎が問う。 「んッ……どのくらい……?」 「1週間くらいかな……」 ナオは幸太郎の前戯と愛撫に身を委ねながら、この先の仕事のスケジュールについて考えてみる。 多分、今急ぎの仕事は入っていないから、休んでいる間は同僚の橋本がフォローしてくれるだろう。 「うん……取れるよ……」 「じゃ、取ってくれよ」 「あ、ぁんッ、な、なんで……っ……?」 2人のペニスが幸太郎の片手に収められ、擦り上げられる。 気持ちがよくてつい腰が動いてしまう。 「旅行、行かねーか?」 「旅行……?」 「俺ら、そういうことしたことねーし……だめか?」 幸太郎の手技がナオを追い詰めていく。 握ったシーツにシワが寄り、ビクンと身体を揺らす度にベッドのスプリングが軋んだ。 「だめ……じゃない……ッ……」 おかしくなってしまいそうなのに、どうして幸太郎はこういうことをこういう場で訊くのだろう。 行為が終わったら忘れていたという展開を考えることはないのだろうか。 「じゃ、俺は明日申請しとく……終わったら期間を調整しようぜ」 「ん……んんッ!?幸太郎……俺、もう……イくう!?」 幸太郎にしがみつきながら、ナオは達した。 身体が小刻みに震え、ペニスの先端からは精が流れ、顎がカクカクとなってしまう。 幸太郎はナオのペニスだけを手放すと、自分のそれを扱いてナオをきつく抱き締めながら絶頂に達した。 「挿れんのはやめとくか?ここんとこ毎日だから、きついだろ?」 あの見合いの日から、ナオは毎晩のように幸太郎に抱かれている。 幸太郎に誘われることもあるが、大抵ナオの方が甘えた声で誘っているという具合だ。 「大丈夫だから……挿れて」 「けど……」 「だめな時はだめって言う……今は幸太郎が欲しい……」 そのために風呂で解してきたのだと言われれば、幸太郎としても応じてやりたい。 ナオをうつ伏せに寝かせ、腰を持ち上げて双丘の割れ目の窄みをじっと見る。 解れているそこは小さく開いていて、幸太郎が指で解れ具合を見ようとすれば、すぐにパックリと口を開けた。 「エロ過ぎんだけど……」 ナオは無自覚なのだろうが、幸太郎にしてみれば煽られているように感じてならなかった。

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