幸太郎はナオの窄みに肉棒の先端をあてがうと、そろそろと腰を沈め、一物を埋め込んでいく。 解されているお陰でスムーズではあるが、ナオはさっき前で達したばかりだ。 だから内側は妖しいほどに蠢いており、幸太郎としてはそれだけで精を搾り取られてしまいそうになる。 そのくらい気持ちがイイのだ。 「ああ、ん……、もっと……奥まで……ッ……」 「いきなり挿れたら痛いだろ？もうちょいで全部挿るから我慢しとけ」 ナオがこんな風に「ああして、こうして」と主張するようになったのは、いつからだろう。 そんなことを考えているうちに、根元まで挿りきった。 「ナオ、分かるか？挿ったぞ」 「ん……俺のナカに幸太郎がいる」 「バ、バカ！恥ずかしいこと言うなって！」 繋がったまま幸太郎の胸板をナオの背中に押し付けて、うなじに、肩にキスマークを刻んでいく。 白い肌に赤く色づいたそれは、瞬く間に紫色へと変色していった。 「動いて……」 「もう大丈夫なのかよ？」 「うん……」 確かに大丈夫そうだ。 肉襞はきゅうきゅうと吸い付いてくるが、動けないほど激しくはない。 幸太郎はナオの両腰を両手で掴み、引っ張り上げたところで、パン──、と突き上げ始めた。 「あ、ぁ……んッ……気持ちイイ……」 ──どのタイミングで言ったらいいんだろう？ ナオは激しく突き上げられながら、告白の言葉を紡ぐ機会を窺っていた。 何も言わなければ何でも伝わるなんて、どうしてそんな風に思っていたのだろう。 いくら幸太郎に後ろめたさを感じていても、そのことと気持ちを告げることは別次元の話なのに。 ──でも、早く言わないと、幸太郎に先を越されてしまう。 それはどうしても嫌だった。 ナオから言って、幸太郎を安心させてやりたい。 今までナオに尽くしてくれた分、今度はナオが尽くしてやりたい。 ──今、言ってもいいだろうか？ 「幸太郎……ッ……」 最奥を突き上げられ、半ば目の前に星が散るような感覚に陥りながら、ナオは必死に口を動かす。 「なんだ？」 「……好き」 「っ！？」 「あ、愛してる……！」 意外と恥ずかしいなと、ナオは思った。 幸太郎もいつもこんな気持ちで「好き」、「愛してる」と言ってくれているのだろうか。 「ナオ、俺、めっちゃ嬉しい！」 「え？あ、あぁッ……い、いきなり……激しく……」 ナオの言葉はそこで途絶え、与えられる快楽ばかりが身の内に浸透してくる。 「ゴ、ゴメンね……今まで言えなくて……ホントにゴメン……」 「今言ってくれたんだ、何の問題もねーよ」