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第7話

早朝からの疲れか少し眠っていたのかと外を見れば窓枠の外の景色は地上をはっきりと見せ、結局乗り込んでからずっと眠っていたことに気づき、慌てて着陸アナウンスの指示に従った。 飛行機を降りると蒸せ返るような熱気で喉が詰まる。孝司の科白ではないがちゃんとスーツケースを手にし外へと踏み出した。フェリー乗り場までの小型バスが視界に飛び込んでくる。間違えようのないその小型バスの側面には大きく行き先が書いてあった。 バスはそのままフェリーに乗り込み、今度は湿度のある潮風に揺られていた。 バスの運転手に行き先を告げると、そのコテージまで運んでくれるというのでお言葉に甘え送ってもらうことにした。 とは言っても遠くに見えるコテージ以外どれくらい人が住んでいるんだと思わせるくらいの小さな離島だ。 ここで三日間、日頃の疲れを癒してリフレッシュする。ある思いを胸に一人きりの旅が楽しみでしかないとばかりに海岸沿いに並ぶコテージを見ながら、勢いよくバスが止まり降ろされたその建物の中に足を踏み入れた。 小洒落た建物は内装もまるで異空間だった。民宿のようなイメージだったパンフレットとはえらく内装が違う。もう一度外観を確認しようと踵を返しところで呼び止められた。 「圭一君だね。いらっしゃい」 奥の扉から出てきた長身の男性。そのはち切れんばかりの胸元を見せつけるように早足で歩いてくる。 恐ろしい程のイケメンが満面の笑みで俺を抱きしめてきた。 「孝司から何度も電話をもらってるよ。来てくれてありがとう。三日間ゆっくりしていって」 そういうと、ポケットからスマホを取り出して何処かに電話をし始める。 「あー孝司、今着いたよ御子息。ちょっと待ってね、代わるから」 そう言って彼はスマホを差し出した。 「どうしたの?着いたら連絡するって言ったのに…」 『圭一のことだからな、迷子になっても強がりそうだから英二に連絡頼んでたんだ。無事に着いて良かった。帰りは空港まで英二に頼んでるから。気にせず楽しんでな』 こ孝司の心配性はここまでだとは思わなかった。唖然とした俺はスマホを英二に渡すとスーツケースを跨ぎ座り込んだ。 「ははっ、過保護で心配性は圭一君に移ったんだね。いや違うな、心配する相手が増えたんだな。孝司は直にベタ惚れだもんな」 笑いながらカウンターに促し宿泊名簿を差し出した。 唖然としながら名前を記入し、圭一のスーツケースを軽そうに持ち上げた英二さんはその様子に笑みを零しながらコテージへと案内してくれた。

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