11 / 23

第11話

テーブルいっぱいに広がった料理の数々。直の料理もプロ級だが、それに負けないくらい凄い数の料理が並んでいる。 いかにも高カロリーを装う揚げ物の数々。唐揚げ、トンカツ、鯵のフライなどなど胸焼けがしそうな量とサラダボールに山盛りにされた野菜。男料理とでも言うのだろうか。どれにしても一つの大きさが半端なかった。 広いテーブルだと思っていたが、長身の男性が4人と圭一が座れば少し窮屈に感じる程だ。誰もが足を揃えて座っているわけじゃない。仕方ないテーブルの角の隙間、英二さんと楓さんの間に挟まれ圭一は縮こまっていた。 「堤君、紹介しようねぇ、俺の横から優と咲良、楓だ。俺たちはね、兄弟でここを経営してる。孝司と俺は高校の同級生なんだ。それに俺達は年子だから孝司をみんな知ってる。気兼ねはいらないよ。楽しんでってね」 そう言って英二はどでかいジョッキにビールを注ぎそのグラスを圭一に手渡した。 …ええ!?兄弟!? 同じ腹から毎年こんなイケメンが生まれてくるなんてと英二の言葉を反芻する。渡されたグラスを持ったままポカンと見回してしまった。 「間抜けズラ」 「こら!」 咲良の頭をパコンと叩いた楓が睨みつける。それを英二さんと優さんは笑って見ている。きっといつものことなんだろう雰囲気は和やかなものだった。 「さあ、食べよう。冷めちゃうから」 楓さんの声でみんなが手を合わせた。 この島の所縁を代わる代わる教えてくれる。咲良だけは面白くない顔をしながら飲んでいたが、圭一は自分を囲み、チヤホヤされながらも魅力的な島の話を教えてくれることにさっきまでのネガティブな感情は消え去り気分は舞い上がっていった。普段付き合いくらいでしか飲まない酒が妙に美味しく感じ少々飲み過ぎではないかと自重しながらもペースを掴むことなく煽った。 ゆらゆらと揺れる感じが心地いい。潮風が頬を滑っていく感触が何とも幸せでずっと浸っていたいと微睡む。 ヒンヤリしたシーツが背中に触れる。洗い立てのて触り心地のいいシーツに頬ずりしたくなり体を横に倒した。その側には人影を感じる。身体に触れる体温がまたヒンヤリと心地いい。だが、妙にリアルなその感触にゆっくりと瞼を持ち上げた。 海辺から月の光が部屋を照らし淡い碧に染めている。視界に入る月は満月を少し影らせ赤みを帯びていた。 見たことのないて天井の四隅を追うように視線を滑らす。辿り着いた最後の隅には楓の覗き込む視線と重なった。 「圭一君、目が覚めた?」 そう聞かれ、ぼんやりした感覚のまま頷いた。 「綺麗な身体だな」 それは優さんの声。食事をしている間、耳障りのいい声だと、いつまでも聞いていたいと思った。静かな低音がすっと染み込むようだった。 髪を梳くように撫でてくれる優しい手。時折触れる耳裏から甘い痺れを呼び起こしているようで、力が抜けていくような感覚が心地良かった。

ともだちにシェアしよう!