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第12話

ゆらゆらと波間に浮んでいる感覚がいつのまにか身体中を気持ちのいいものが這い回っていることに圭一は酔いしれていた。何かを呼び起こすようなその動きから湧き上がる痺れにふっっと溜息を漏らした。 「感度いいね。気持ちいい?」 凛々しく艶やかな黒髪の優の甘い声が耳を擽る。本当に耳障りのいい声だとまたピクンと身体が揺れた。 「優の声…好きなんだ」 股を割り内腿を撫でる楓がクスクスと笑う。 「…うん…」 身体の芯から熱を呼び起こされていくような、いやらしい手の動きがもどかしくて上がった吐息は吐き出すように求めた。 「もっと触って…」 今何が起こってどうなっているのか、ぼんやりした頭は夢でも見ているかのような心地よさと気持ち良さを素直に求めて身体が熱くなっていく。 首筋や脇腹、ふくらはぎ腿…肝心の一番気持ちいい場所を外した動きに堪らなくなり芯に手を伸ばそうとした。 なのに圭一の両手は頭上で手首を合わせたまま離れようとしない。何かの強い引力で離れてくれない。 はぁはぁと息が上がってもどかしい。早く熱を持った芯を擦り上げたかった。今触れば極上の気持ち良さを味わえる。 勢いよく腹につきそうなくらい反り上がったモノを両手で覆うように誰かの掌が芯を擦る。先端から溢れる蜜を芯に擦り込むようにゆっくりと何度も擦りあげられ圭一は腰を艶めかしく揺らした。 「気持ちいい…」 溢れた科白を拾うように頭上でクスッと笑う声が聞こえた。 「圭一君、目を開けてごらん…」 耳元で囁く甘い声に身を震わせながらゆっくりと瞳を開いた。ぼんやりした視界が、暗闇の中でもその様子を次第に映していく。 覗き込み微笑んでいる英二さんと目が合う。そして右側にいる楓さんが優しく笑っている。 耳そばでクスっと笑った吐息がかかり、圭一のそばで寝そべっている優さんが耳朶をペロリと舐め甘噛みした。 ピリピリと痺れが走り再び腰を浮かせた。それを見た三人はクスクスと笑った。

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