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第6話
でも、期待はすぐに消えた。
隆史さんは普通なんかじゃなかった。
「で、どこで悪さをしてたんだ?」
「悪さって…」
「飲み会…男も居たんだろ?」
「そりゃ大学の飲み会なんだから男だって居るに決まってんだろ!」
歯向かったらダメだ。
分かってるけど、俺にだって人格はある。
いい加減な事言われたら腹だって立つ。
「…颯斗、お前生意気だな。」
「生意気って、俺にだって言い返す権利くらいあるだろ。」
「バカはバカでももう少し利口なバカだと思ってた。残念だ。また分からせてやるよ、俺には敵わないって事を。」
血の気が引いてくのが分かる。
ガタガタ身体が震え出した。
「…や、やだ…ごめっ…ごめんなさ、隆史さん…ごめんなさいっ…」
「最初から素直にしてりゃ良かったのに、バカなヤツ。」
ガシッと髪を掴まれてベッドに投げ飛ばされた。
ブチブチと髪が抜ける音…
「痛っ…やだ…止めて、隆史さ…ん…」
「よく言う。痛いの好きだろ?」
「好きじゃな…ッ…」
今度は前髪を掴み上げた。
そして、俺の上半身を浮かせると強引にキスした。
またベッドに沈められて、舌が口の中で暴れ回る。
苦しい…
手早くズボンと下着を引きずり下ろされた。
唇が離れると、口呼吸になった俺の口の中にダラダラと唾液が流されて、頭を押さえつけられた俺はそれを飲み込むしかなかった。
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