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第12話

ばっちり目が覚めたところで猛烈な腹痛。 流石に下半身の世話まではされてないか… この人も俺がベッコベコに殴られた挙げ句にケツに凶器ぶちこまれてたとは思わないだろ。 「いってて…」 腹を抱えながらズルズルトイレに向かった。 下着下ろして驚いた。 血が混じった精液が下着をカピカピにしてた。 あー…まぁ、そうなるわな… 「最悪っ。」 その後、猛烈な吐き気… 吐くは下すはで暫くトイレから出られなかった。 なんとか落ち着いて、洗面所に向かった。 とりあえずブクブクせにゃ… コップに水入れて口を濯いだ。 当然口ん中は切れてるわけで、ただの水なのにかなり沁みた。 鏡の自分は、想像よりずっとベコベコだ。 「あぅち、颯斗くんのカッコいいお顔はどこへ?」 これは本格的にシュートにどう説明するか考えないとなやつだ。 シュートが居なくなっちゃったから一人で帰ってたら悪い人に絡まれてフルボッコにされました…とか? ダメだ、納得してくれそうなのが全然思い浮かばない。 服を脱いで更に驚く。 殴られたお腹真っ青… 「うっわ、まぢでこれ内臓大丈夫なのか?」 思わず首を傾げた。 とりあえずカピカピの下着を洗って、これでもかって絞って干してからシャワーを浴びた。 トイレのあれやこれやで冷や汗ダラダラだったからすっごい熱いお湯で身体を暖めた。 ケツは… 指挿入れる気にはなれない。 鏡でチェックする気にもなれない。 わざわざチェックしなくても絶対切れてるし… 「うんうん。帰りオロ◯イン買お。」 浴室を出て、タオルとバスローブを拝借。 バスローブを羽織って、ガシガシタオルで髪拭きながらベッドに戻った。 やっぱ短髪楽だ。 すぐ乾くし。 バスタオルを頭に被ったまんまベッド端に座った。 あの人はまだ寝てる。 寝顔キレー… ずっと見てられそう。 これで、イビキとか口を開いちゃってたりとか涎垂れてたりしてくれたら面白いのに、完璧に綺麗とかズルいし… 「…あれ?」 俺は見つけてしまった。 完璧な寝顔の唯一の欠点… 目のところで何かがキラキラ光ってた。 …泣いてる… 寝ながら泣いてる人、初めて見たかも… みるみる溜まっていったそれが一直線にゆっくりと落ちて枕に染みた。 泣いてても綺麗とか、ホント… 「ズルッ」 俺は、ボフンと後ろに倒れて目を閉じた。

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