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第16話
「りお……っりおです」
「え……?っ!りおくん!?大きくなったんだね。声も変わってて気づかなかったよ」
覚えてくれてた……
もう涙はとどまることを知らずに、滝のように溢れてくる。
「大丈夫。大丈夫だから泣き止んで」
「ひっく……迷惑かけてすみません……。お仕事とか大丈夫ですか……」
「全然、大丈夫。それより、今どこにいるの?りおくんに会いたい」
「あ……今、東京出てきてて、高校が東京なので……。あの、あなたは……?」
「僕も東京。待ってて迎えに行く」
駅の名前を告げて受話器を戻してから、その場にしゃがみこんだ。
会えるんだ……
何、話そう。
まずは、ありがとうございましたっていわなきゃ。
それで、身体が弱いって言ってたから大丈夫ですか?って聞こう。
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