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何よりも最高
「大丈夫?」
そう声を掛けた先にいる君は、ベッドに横たわっている。
いつも頑張ってくれていたせいで、体調を崩してしまったようだ。
ここ数日、底冷えのするような寒さが続いていたから、仕方なかったのかもしれない。
意識を朦朧とさせながら、君はこちらを見ていた。
「ん、薬飲む?」
「……いい」
遠慮しているのか考えがまとまらないのか、とにかく辛そうであった。
俺は何をしてあげられるのだろう。少し考えてみるが、ここは訊くことが一番という結論に至った。
「何かしてあげようか?」
「……手を握って、名前を呼んで」
いつもより素直なその姿に、愛おしさを感じる。
手を伸ばし、そっと微笑む。
「おやすみ、──」
(この作品は第50回Twitter300字ssの企画に参加した作品です)
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